債券は上昇、超長期債への買いが相場押し上げ-円安修正受けた株安も

債券相場は上昇。投資家による超長 期債への買いが相場を押し上げたほか、外国為替市場での円安修正の動 きを嫌気して国内株価が下げたことも買い材料となった。

東京先物市場で中心限月の3月物は、前日比5銭安の144円25銭で 始まり、直後に144円23銭まで下落した。その後は水準を切り上げ、午 後に入ると一時は144円40銭と、日中取引で1月31日以来の高値を付け た。結局は8銭高の144円38銭で引けた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の327回債利回 りは横ばいの0.75%で開始。その後は徐々に水準を切り下げ、午後に入 ると1ベーシスポイント(bp)低い0.74%と、1月31日以来の低水準を付 けた。5年物の107回債利回りは横ばいの0.135%。

超長期債の堅調さが目立った。20年物の141回債利回りは1.5bp低 い1.75%と、1月24日以来の低水準を付けた。30年物の37回債利回りは 1bp低い1.955%と1月24日以来の低水準を付け、その後は1.96%。40 年物の5回債利回りは1bp低い2.14%と、約1カ月ぶり水準に下げた。

しんきんアセットマネジメント投信の鈴木和仁シニアストラテジス トは、「これまでの円安ピッチは持続しないとの見方もあって買いが徐 々に優勢となっている」と指摘。期末が近づくタイミングで残高を積み 増す動きや過度の需給懸念が後退していることもサポートとも言う。

SMBC日興証券金融経済調査部の山田聡部長は、短中期債が金融 緩和期待で先行して買われたが、出遅れ感から超長期債への買いが続い ていると指摘した。

財務省がこの日実施した40年利付国債(2月発行、5回債)の利回 り競争入札の結果によると、最高落札利回りは2.12%となり、事前予想 の2.115%をやや上回った。投資家の需要の強さを示す応札倍率は3.51 倍と、前回の3.82倍から低下した。

SMBC日興証の山田氏は、40年債入札について、「無難な結果。 それほど強いわけでもなかった」と分析した。

円は対ドルで上昇。一時は1ドル=92円台後半に水準を切り上げ た。主要7カ国(G7)が円の過剰な動きを懸念しているのかどうかに ついて、当局者から相反する発言が聞かれた。東海東京証券の佐野一彦 チーフ債券ストラテジストは、G7声明の評価が分かれて上下動したと 言い、「これまでの円安は容認するが、一段のそれは認めずといったと ころだろう」と解説した。日経平均株価は円高を嫌気して、117円71銭 安の1万1251円41銭で終えた。

メリルリンチ日本証券の大崎秀一債券ストラテジストは、G7声明 の公表後に為替が不安定化する中、週末の20カ国・地域(G20)財務 相・中央銀行総裁会議後のさらなる円安には懐疑的な見方もあり、この 場合は株高一服も相まって国内債をサポートする公算が大きいと指摘。 一方、「短中期ゾーンの金利低下は小休止。日銀の新体制の下での付利 引き下げなど不透明感がある」と話した。

12日の米国債相場は下落。米10年国債利回りは前日比1bp高 い1.98%程度。一方、米株相場は上昇。S&P500種株価指数は0.2%高 の1519.43。しんきんアセット投信の鈴木氏は「10年債利回りは引き続 き0.7%台で方向感の定まらない展開だが、米長期金利が2.0%を上抜け ると0.8%に向けて調整する場面がありそう」と指摘した。

--取材協力:赤間信行. Editors: 山中英典, 崎浜秀磨

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