東商取の江崎社長:政府に規制緩和を要求-機関投資家参入で

商品先物取引で国内最大の東京工業 品取引所は12日、東京穀物商品取引所の農産物を引き継いで上場し、名 称を「東京商品取引所」に変更した。東商取の江崎格社長は、農産物取 引の回復には時間を要するとした上で、低迷する国内商品市場の活性化 のために機関投資家が参入できるよう政府に規制緩和を求める考えを明 らかにした。東穀取は解散手続きに入り、60年の歴史に幕を閉じる。

江崎社長はこの日の会見で「海外では信託銀行や年金基金など機関 投資家はコモディティ市場のメーンプレーヤー。日本でも機関投資家が 参入できるよう業界関係者と共に政府にお願いしたい」と述べ、「一番 重要なのは海外からの取引をいかに増やすか。ブローカーの獲得などに 力を注いでいく」と強調した。

東工取は金やプラチナ、ゴム、石油などの工業品13品目を上場し、 昨年の取引高は国内商品の93%。東穀取から引き継いだ大豆、トウモロ コシ、粗糖、小豆の4品目を合わせると99%を占める。

東穀取は2011年に起死回生を狙い72年ぶりにコメ先物を上場した が、個人投資家減などで不発に終わり、引き継ぎを申し入れた。1月の 取引高は1日平均3449枚と、ピークだった1996年の2%だった。05年に 7つあった商取は東穀取の解散後、大阪堂島商品取引所(関西商品取引 所から名称変更)を含む2カ所になる。

江崎格社長は1日、ブルームバーグ・ニュースとのインタビュー で、農産品取引の活性化には「海外投資家や農産物の実需者などの市場 参加者を増やしていく工夫が必要だ」とし、取引高は「当面1日平 均5000枚程度を目指す」と述べていた。

30年以上にわたって先物市場を分析しているコモディティー・イン テリジェンスの近藤雅世社長は、低迷する農産品上場の効果は限定的で 「東工取自身に流動性がないことが致命傷」と指摘。業績がさらに悪化 する前に日本取引所グループ(JPX)との統合など本格的な再編に取 り組む必要があると強調している。

東工取の昨年の取引高は前年比2割減。04年から続く減少傾向に歯 止めがかからず、ピーク時の29%まで落ち込んだ。11年度まで4年連続 で経常赤字を計上し、12年4-9月も2550万円の赤字。03年には世界2 位の商取だったが、インドのマルチ商品取引所や中国の上海期貨交易所 などに抜かれ、11年は12位まで低下した。

経済産業省の豊永厚志・商務流通保安審議官は、新たな商取の早期 の業績回復は困難とみており、生き残りには海外の取引所との提携強化 が必要との見方を示している。

江崎社長も、年間営業費の7割程度が掛かる取引システムの共同利 用の可能性をめぐり、米国の取引所と接触していることを明らかにして いる。

江崎社長は「日本取引所グループや海外の取引所とどのように取り 組んでいくかが最大の課題になる。重要な点は出来高を増やし、経営コ ストを削減するなどして当社の企業価値を高めること。今年半ば、遅く とも年末までに方向を決めたい」と述べた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE