NY外為:ユーロ上昇、バイトマン総裁発言で-円は94円台

ニューヨーク外国為替市場ではユー ロが大部分の主要通貨に対して上昇。欧州中央銀行(ECB)の政策委 員会メンバー、ドイツ連邦銀行のバイトマン総裁がユーロは著しく過大 評価されてはいないと発言したことが材料視された。

ユーロを下落させようとするユーロ圏の一部政府の試みに警鐘を鳴 らす格好となった同総裁の発言が伝わると、ユーロは対ドルで上げ幅を 拡大した。円は対ドルでほぼ3年ぶりの安値を付けた。共同通信が報じ た甘利明経済再生担当相の発言が売りを誘った。同経済再生担当相は9 日、東京株式市場の平均株価に関し「(ことし3月)期末までには、1 万3000円を目指して頑張るぞという気概を示すことは大事だ」と述べた という。

ウェルズ・ファーゴの主任為替ストラテジスト、ニック・ベネンブ ローク氏は電話インタビューで、「バイトマン総裁の発言が背景にあ る。ECBとユーロ圏財務相は欧州の為替政策に最も大きな影響を及ぼ し、バイトマン総裁のような当局者の発言の重さは為替相場への影響力 を示している」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで前営業日 比0.3%高の1ユーロ=1.3406ドル。一時は1.3325ドルと1月24日以来 の安値を付ける場面もあった。円は対ドルで1.8%安の1ドル=94円32 銭。一時は94円46銭と2010年5月5日以来の安値を付けた。円は対ユー ロでこの日、2.1%安の1ユーロ=126円45銭。

先進10カ国の通貨で構成するブルームバーグ相関加重通貨指数によ ると、円は過去6カ月に20%安と下落率首位。ドルは1.9%下落した一 方、ユーロは8%上昇と上昇率首位となった。

バイトマン総裁

バイトマン氏は11日、フライブルクでの講演で「ユーロは最近の上 昇にもかかわらず、著しい過大評価の兆候は最新の指標で示されていな い」と言明。「具体的にユーロ安を意図する為替政策は、最終的にイン フレ率上昇につながるだろう」と述べた。

米商品先物取引委員会(CFTC)によると、対ドルでのユーロ先 物の買越幅は増加。ヘッジファンドなど大口投機家の買越幅は5日現在 で3万7952枚と2011年4月以来の高水準となった。前週は2万7472枚。

ラボバンク・インターナショナル(ロンドン)のシニア為替ストラ テジスト、ジェーン・フォリー氏はブルームバーグラジオに対し、「ユ ーロは現時点では全く過大評価されていない」と話した。

G7声明

主要7カ国(G7)は世界が通貨戦争の瀬戸際にあるとの懸念を払 拭(ふっしょく)するため、為替相場に関して声明を今週出すことを検 討している。G7構成国の当局者3人が明らかにした。G7は15、16日 にモスクワで開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議 より前に声明を出すことを目指している。

共同通信によると、甘利再生相は「株価が上がっていくように次々 と手を打っていきたい」と強調した。日経平均の8日終値は1万1153 円16銭。11日は祝日のため休場。

RBSセキュリティーズの為替ストラテジスト、ブライアン・キム 氏(コネティカット州スタンフォード在勤)は「日本は現在の金融政策 を維持するだろう」と発言。「甘利再生相は流動性を金融システムに注 入することにより全体的なリフレ政策を進めようとしている。その副産 物として株高となり、円が下落する可能性が高い」と語った。

原題:Euro Gains as ECB Official Says It Isn’t Overvalued; Yen Weakens(抜粋)

--取材協力:Simon Kennedy、Lucy Meakin.

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