2月11日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロ上昇、バイトマン発言で-円は94円台

ニューヨーク外国為替市場ではユーロが大部分の主要通貨に対して 上昇。欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、ドイツ連邦銀行 のバイトマン総裁がユーロは著しく過大評価されてはいないと発言した ことが材料視された。

ユーロを下落させようとするユーロ圏の一部政府の試みに警鐘を鳴 らす格好となった同総裁の発言が伝わると、ユーロは対ドルで上げ幅を 拡大した。円は対ドルでほぼ3年ぶりの安値を付けた。共同通信が報じ た甘利明経済再生担当相の発言が売りを誘った。同経済再生担当相は9 日、東京株式市場の平均株価に関し「(ことし3月)期末までには、1 万3000円を目指して頑張るぞという気概を示すことは大事だ」と述べた という。

ウェルズ・ファーゴの主任為替ストラテジスト、ニック・ベネンブ ローク氏は電話インタビューで、「バイトマン総裁の発言が背景にあ る。ECBとユーロ圏財務相は欧州の為替政策に最も大きな影響を及ぼ し、バイトマン総裁のような当局者の発言の重さは為替相場への影響力 を示している」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで前営業日 比0.3%高の1ユーロ=1.3406ドル。一時は1.3325ドルと1月24日以来 の安値を付ける場面もあった。円は対ドルで1.8%安の1ドル=94円32 銭。一時は94円46銭と2010年5月5日以来の安値を付けた。円は対ユー ロでこの日、2.1%安の1ユーロ=126円45銭。

先進10カ国の通貨で構成するブルームバーグ相関加重通貨指数によ ると、円は過去6カ月に20%安と下落率首位。ドルは1.9%下落した一 方、ユーロは8%上昇と上昇率首位となった。

バイトマン総裁

バイトマン氏は11日、フライブルクでの講演で「ユーロは最近の上 昇にもかかわらず、著しい過大評価の兆候は最新の指標で示されていな い」と言明。「具体的にユーロ安を意図する為替政策は、最終的にイン フレ率上昇につながるだろう」と述べた。

米商品先物取引委員会(CFTC)によると、対ドルでのユーロ先 物の買越幅は増加。ヘッジファンドなど大口投機家の買越幅は5日現在 で3万7952枚と2011年4月以来の高水準となった。前週は2万7472枚。

ラボバンク・インターナショナル(ロンドン)のシニア為替ストラ テジスト、ジェーン・フォリー氏はブルームバーグラジオに対し、「ユ ーロは現時点では全く過大評価されていない」と話した。

G7声明

主要7カ国(G7)は世界が通貨戦争の瀬戸際にあるとの懸念を払 拭(ふっしょく)するため、為替相場に関して声明を今週出すことを検 討している。G7構成国の当局者3人が明らかにした。G7は15、16日 にモスクワで開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議 より前に声明を出すことを目指している。

共同通信によると、甘利再生相は「株価が上がっていくように次々 と手を打っていきたい」と強調した。日経平均の8日終値は1万1153 円16銭。11日は祝日のため休場。

RBSセキュリティーズの為替ストラテジスト、ブライアン・キム 氏(コネティカット州スタンフォード在勤)は「日本は現在の金融政策 を維持するだろう」と発言。「甘利再生相は流動性を金融システムに注 入することにより全体的なリフレ政策を進めようとしている。その副産 物として株高となり、円が下落する可能性が高い」と語った。

原題:Euro Gains as ECB Official Says It Isn’t Overvalued; Yen Weakens(抜粋)

◎米国株:下落、割高感が台頭-「エアポケット」要注意の声も

11日の米国株は下落。先週までの6週連続高で、S&P500種株価 指数は2011年7月以来の割高水準となっていた。

住宅関連小売りのホーム・デポは従業員1万人を対象に、ブラック ベリーからiPhone(アイフォーン)に乗り換えると発表。ブラッ クベリーの株価は下げ、アップルは上昇した。検索エンジンのグーグル は下落。シュミット会長の保有株売却計画が売りを誘った。インターネ ット情報サービスのAOLはアナリストの買い推奨を受けて大幅高とな った。

S&P500種株価指数は0.92ポイント(0.1%未満)下げ て1517.01。先週には2007年11月以来の高値に達し、週間ベースでは8 月以来で最長の6週連続高となっていた。ダウ工業株30種平均は21.73 ドル(0.2%)安の13971.24ドル。

セキュリティー・バルー(ミシシッピ州ジャクソン)の最高投資責 任者(CIO)、T.ダグ・デール氏は電話取材に対し、「極端な買わ れ過ぎ相場になっているが、だからと言って上昇が継続しないとは限ら ない」と発言。「しかしエアポケットには要注意だ。大きな下降局面と いうのはあっという間に展開するものだ」と述べた。

S&P500種は年初から6.4%上昇。同指数の株価収益率(PER、 実績ベース)は15倍で推移。ブルームバーグのデータによると、2012年 は13倍まで下げていた。過去60年の平均は16.4倍。

同指数は2007年10月に達した過去最高値まで約3.1%の水準にあ り、09年3月に付けた底値の2倍を上回っている。

「一服は妥当」

ノーザン・トラストのチーフ投資ストラテジスト、ジェイムズ・マ クドナルド氏は(シカゴ在勤)は電話取材に対し、「年初からの好調を 思えば、ここに来て一服するのはよく理解できる」と指摘。「民間セク ターがどうすれば成長できるかが今後の焦点になろう。公的セクターか ら大きな贈り物が届かないことを市場は理解している」と述べた。

ユーロ圏17カ国の財務相会合(ユーログループ)がブリュッセルで 開かれ、キプロスとギリシャへの支援について協議した。15日にはモス クワで、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開かれる。

ゴールドマン・サックス・グループは世界の株式に対する3カ月投 資判断を「オーバーウエート」から「ニュートラル」に引き下げ、「最 近の上昇を消化する時間が投資家には必要だ」と指摘した。

「適正水準をやや上回る」

アンダース・ニールセン、ピーター・オッペンハイマー両氏が率い るゴールドマンのアナリストチームは8日付の顧客リポートで、「この 水準から力強く上昇する可能性は短期的に限定されている。今の株価は 当社がこの時点で適正と予想していた水準を、やや上回って推移してい る」と分析した。

S&P500種の産業別10株価指数のうち、石油・ガスや消費者サー ビスなど7指数が下落した。

ブラックベリーは4.6%安。一方のアップルは1%の値上がり。ホ ーム・デポはコーポレート部門の従業員と幹部に貸与してきた端末をブ ラックベリーからアイフォーンに切り替える方針を打ち出した。シェア をアイフォーンやアンドロイド搭載機に奪われ、業績低迷が続いていた ブラックベリー(旧リサーチ・イン・モーション)は先月、最新機種の 発表で巻き返しを図ろうとしていた矢先だった。

グーグルは0.4%下落。シュミット会長が計画する自社株320万株の 売却は約25億ドルに相当し、同氏持ち分の42%に当たる。グーグルによ ると、売却期間は最長で1年。

この日の金融株は上昇。S&P500種産業別10指数の中で最も値上 がりした。シティグループは1.1%上昇した。

AOLは7.4%の急伸。RBCキャピタル・マーケッツはAOL株 の投資判断を「セクターパフォーム」から、買いに相当する「アウトパ フォーム」に引き上げた。

原題:U.S. Stocks Retreat After S&P 500 Index Rallies for Six Weeks(抜粋)

◎米国債:10年債は小幅安、今週の国債入札控えて商い慎重

11日の米国債市場では10年債が小幅安。取引レンジは過去約2週間 で最小の幅だった。米財務省が今週実施する720億ドル相当の国債入札 を前に慎重な展開だった。

米国債利回りは一時上昇した場面もあった。12日には3年債320億 ドルが売り出され。13日は10年債240億ドル、14日は30年債160億ドルの 国債が発行される。オバマ大統領は今週予定されている一般教書演説で 雇用創出に焦点を絞り、景気対策への取り組みを強調するとみられてい る。

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード) の国債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「今は動きが止まって いる」と述べ、「景気見通しは依然として不透明で、今週は高利回りで の国債入札もある。入札をこなすために利回りはどの水準にあるべきか という疑問が生まれてくる」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)上げて1.96%。一時は3bp上げる場面もあった。取引レン ジは1月23日以来で最小。同年債(表面利率1.625%、2022年11月償 還)価格は1/8下落して97。

年初来リターン

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデータによる と、米国債のリターンは年初から2月8日までで0.8%のマイナス。こ れに比べて、世界の国債をまとめた指数は0.5%のマイナスとなってい る。10年債利回りは2月4日に2.06%と、昨年4月12日以来の高水準に 上昇した。

トラディション・アシール・セキュリティーズのブローカー、ポー ル・ホルマン氏(ニューヨーク在勤)は、「狭いレンジで動いている」 と述べ、「市場はより高い利回りを望んでいたが、景気動向がもう少し 鮮明になるまでは1.95-2.05%のレンジを抜けにくい」と続けた。

米国債のインターディーラー・ブローカーで最大手のICAPによ ると売買高概算は1975億ドル。1月7日以来の低水準だった。

前回10年債の入札が行われたのは1月9日。最高落札利回り は1.863%だった。投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.83倍と、12 月の2.95倍を下回った。

一般教書演説

オバマ大統領は先週、下院民主党の会合で一般教書演説の内容につ いて、「米国での雇用創出に注力していることをあらためて強調する」 と述べた。一般教書演説は12日に行われる。

ドイツはここ1年にわたり米国よりも借り入れコストで有利な立場 にあったが、その強みを失いつつある。ブルームバーグがまとめたデー タによれば、ドイツ国債相場は1月、同月としては少なくとも1986年以 来最悪のパフォーマンスとなった。米JPモルガン・チェースは独10年 債利回りが第3四半期末までに、2012年2月以降で初めて米国債を上回 ると予想している。

ユーロ圏のベンチマーク資産である独国債の需要は後退しつつあ る。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁がユーロ圏崩壊への懸念を払 拭(ふっしょく)したほか、銀行が緊急融資を2年前倒しで返済してい ることが背景にある。

ブルームバーグがまとめた調査によると、米10年債利回りは6月末 までに1.96%、今年の年末までには2.24%になると予想されている。

原題:Treasury 10-Year Notes Trade in Narrowest Range in Two Weeks(抜粋)

◎NY金:続落、1カ月ぶり安値-中国春節や欧州懸念

ニューヨーク金先物相場は続落。約1カ月ぶりの安値となった。今 週の中国での春節(旧正月)期間中に現物需要が減速するとの観測が強 まった。

バークレイズのアナリスト、スキ・クーパー氏はこの日のリポート で、今週の中国市場の不在は他の地域が需要のギャップを埋める必要が あることを意味し、このため下値がもろくなる可能性があるとの見方を 示した。ユーロ圏の財務相はこの日ブリュッセルで開かれた会合で、キ プロス救済の可能性について協議した。欧州ではイタリア総選挙を控え た不透明感やスペインでの政治スキャンダルを背景に、債務危機の再燃 が懸念されている。

ビジョン・ファイナンシャル・マーケッツ(シカゴ)の金属トレー ディング担当ディレクター、デーブ・メーガー氏は電話インタビューで 「現物の需要不足や欧州に関する不安が相まって、相場を押し下げてい る」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4 月限は前営業日比1.1%安の1オンス=1649.10ドルで終了。一時 は1644.10ドルと、中心限月としては先月7日以来の安値をつけた。

原題:Gold Falls to Lowest in a Month on Asian Holiday, Europe Crisis(抜粋)

◎NY原油:反発、ECBバイトマン氏発言受けたユーロ上昇で

ニューヨーク原油先物相場は4営業日ぶりに上昇。ユーロが対ド ルで上昇したことが背景。ウェスト・テキサス・インターミディエー ト(WTI)と北海ブレント原油の価格差は9日ぶりに縮小した。

欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、ドイツ連邦銀行の バイトマン総裁は、ユーロは著しく過大評価されてはいないとし、同通 貨を下落させようとするユーロ圏の一部政府の試みに警鐘を鳴らした。 ブレント原油は一時1.1%下落していたが、下げ渋る展開。ブレントは テクニカル的な抵抗線であるバレル当り120ドルを先週上抜けられなか ったことから値下がりした。

プライス・フューチャーズ・グループ(シカゴ)のシニアマーケッ トアナリスト、フィル・フリン氏は「バイトマン氏の発言で、原油相場 のモメンタムが反転した」と指摘。「ブレントにとっては120ドルが大 きな焦点になっている。ブレントとWTIの価格差は先週、拡大し過ぎ ていた」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前日 比1.31ドル(1.37%)高の1バレル=97.03ドルで終了。終値では1日 以来の高値となった。今年に入ってからは5.7%値上がりしている。

原題:WTI Oil Rises as Euro Gains on ECB Comment; Brent Spread Shrinks(抜粋)

◎欧州株:下落-ノボ・ノルディスク安い、米国での新薬承認遅れ

11日の欧州株式相場は下落。2週連続安となった前週の流れを引き 継いだ。米国で新薬の承認を得られなかったデンマークの製薬会社ノ ボ・ノルディスクは約4年ぶりの大幅安となった。

ノボ・ノルディスクは13%急落。スウェーデンの石油会社ルンディ ン・ペトロリウムは10%安。同社は北海にあるヨハン・スベルドラップ 油田の埋蔵量が予想の下限付近と考えられると指摘した。一方、オラン ダの小売り大手ロイヤル・アホルドは3.8%上昇。同社はスウェーデン の食品小売り最大手ICAの株式60%を、31億ドルで売却することで合 意した。

ストックス欧州600指数は前週末比0.6%安の285.62で終了。年初来 では2.1%上げている。ブルームバーグがまとめたデータによれば、こ の日の売買高は30日平均を29%下回った。

スタンダード・ライフ・インベストメンツ(ロンドン)のストラテ ジスト、フランシス・ハドソン氏はブルームバーグテレビジョンとのイ ンタビューで、「株式相場は年初を駆け足でスタートし、持続できない 水準に達していた」と述べ、「一服して値を固めるのは歓迎だ。これで もっと慎重なアプローチが可能になる」と続けた。

この日の西欧市場では18カ国中11カ国で主要株価指数が下落した。 デンマークのOMXコペンハーゲン20指数は6.6%安と、2008年10月以 降で最もきつい値下がり。ノボ・ノルディスクが同指数の43%を占めて いる。

原題:European Stocks Fall as Novo Nordisk Plunges on Insulin Delay(抜粋)

◎欧州債:スペインとイタリア債下落-ユーロ圏財務相会合を注視

11日の欧州債市場ではスペイン国債が3営業日ぶりに下落。債 務危機封じ込めで苦慮しているユーロ圏の財務相らは、この日のブ リュッセルでの会合でキプロスとギリシャ支援について協議してい る。

イタリア10年債利回りは8週間ぶり高水準に近付いた。同国 とキプロスで今月行われる選挙が経済改革への妨げとなるとの観測 が広がった。ドイツ10年債利回りは2週間ぶりの低水準まで約3 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の水準。ドイツはこの 日、6カ月物証券を発行した。フランスは満期が1年とそれ未満の 証券を計75億9000万ユーロ入札した。

BNPパリバ(パリ)のシニア債券ストラテジスト、パトリッ ク・ジャック氏は「ボラティリティがやや高まっているほか、一部 の周辺国で幾つかの問題がある」と指摘。「当面、中核諸国の国債 は周辺国よりしっかりしている。イタリアとスペイン国債は限定的 ながら圧迫されている」と語った。

ロンドン時間午後4時36分現在、スペイン10年債利回りは 前週末比6bp上昇の5.42%。前週末までの2営業日で9bp下 げていた。同国債(表面利率5.4%、2023年1月償還)価格はこ の日、0.46下げ99.82。

現在協議されているキプロス救済が現実となれば、同国はユー ロ圏で5カ国目の救済受け入れ国となる。ユーロ圏当局者らは国有 資産の民営化などの要求に柔軟と見られる指導者を望んでいる。17 日の大統領選を控えて実施された3つの世論調査によれば、最大野 党を率いるニコス・アナスタシアディス氏が優勢。

イタリア10年債利回りは6bp上昇の4.62%。8日には

4.63%と、昨年12月14日以来の高水準に達した。ドイツ10年 債利回りは1.61%で、前週末からほぼ変わらず。8日には先月25 日以来の低水準となる1.58%を付けた。2年債利回りは0.18%。

英国債相場は前週末からほぼ横ばいで、10年債(表面利 率1.75%、2022年9月償還)の利回りは2.11%、価格は

96.91となった。

原題:Spain’s Bonds Drop With Italy’s as EU Ministers Meet in Brussels(抜粋) Pound Weakens as U.K. Employment Confidence Drops; Gilts Decline(抜粋)

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