2月8日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:円がほぼ2年ぶり大幅高、麻生財務相発言で

ニューヨーク外国為替市場では円が対ドルでほぼ2年ぶりの大幅 高。麻生太郎財務相が最近の円安のペースは速すぎるとの認識を示した ことがきっかけとなった。

円は対ドルで続伸。麻生財務相は8日の衆院予算委員会で「為替が 妙にわれわれの意図しないぐらいに78円とか79円だったのが、いきな り90円になってきた」と述べた。ユーロは円とドルに対して下落。欧州 中央銀行(ECB)のドラギ総裁は前日、一段の利下げが引き続きあり 得ることを示唆した。それに対して、イングランド銀行(英中央銀行) は緩和プログラムを拡大しないとの見方から、英ポンドは対ユーロで3 日続伸した。

チャプデラインFXのマネジングディレクター兼外国為替責任者、 ダグ・ボースウィック氏は電話インタビューで、「日本政府は今ようや く世界が彼らについてどのように考えているのか思いを巡らし始めた」 と指摘。「彼らは90-95円くらいで満足なのであり、市場もそれを徐々 に理解するだろう」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時49分現在、円は対ドルで前日比1%高の 1ドル=92円68銭。一時1.6%高と、2011年3月17日以来の大幅上昇と なった。円は対ユーロで1.2%高の1ユーロ=123円95銭。ユーロは対ド ルで0.2%安の1ユーロ=1.3370ドル。

米商品先物取引委員会(CFTC)によると、対ドルでの円先物の 売越幅は6万8413枚と、前週から減少した。

「市場は小休止へ」

先進10カ国の通貨で構成するブルームバーグ相関加重通貨指数によ ると、円は過去6カ月に18%下落し、値下がり率トップとなっている。

最近の円安進行の動きに対しては韓国やロシアなど各国が警戒を表 明しており、来週開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総 裁会議で議論される可能性がある。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)の為 替ストラテジスト、ブライアン・デンジャーフィールド氏は電話インタ ビューで、「日本政府が円安を望んでいることに市場参加者は強く同調 している」と指摘。「日本の姿勢が変化している兆しがあるなら、特に それが円安のペースに関するものであれば、市場は小休止することにな ろう」と述べた。

ドラギ総裁の見解

円は対ユーロで3日続伸。ドラギ総裁は前日、最近のユーロ相場上 昇による物価安定へのリスクに言及、一段の利下げがまだ可能性として 残っていることを示唆した。欧州債務危機が和らいでいるとの兆しを背 景にユーロは6日、対円で約2年半ぶりの高値をつけていた。

ポンドは週間で2年ぶりの大幅高となった。7月に就任するカーニ ー次期総裁は前日、英国経済が現状からの「脱出速度」を得るために現 行政策は十分なもようだとの認識を示した。ポンドはこの日は対ユーロ で0.8%高、対ドルでは0.5%上昇した。

原題:Yen Jumps Most in Almost 2 Years as Aso Says Drop Was Too Fast(抜粋)

◎米国株:S&P500は07年11月来高値ー決算や欧州予算合意で

8日の米国株は反発。S&P500種株価指数は2007年11月以 来の高値をつけた。企業決算が予想を上回ったほか、欧州連合 (EU)首脳らが予算削減で合意したことが好感された。

S&P500種産業別10指数のうち8指数が上昇。コンピューターの アップルやヒューレット・パッカード(HP)を中心にテクノロジー株 が上昇した。ビジネス向けソーシャル・ネットワーキング・サービス (SNS)最大手リンクトインは急伸。四半期利益が予想を上回った。

一方、USエアウェイズ・グループは2.4%下落。同社と、米アメ リカン航空の親会社AMRの取締役会は両社合併について11日に採決す る準備を進めていると、事情に詳しい関係者が語った。

S&P500種株価指数は8.54ポイント(0.6%)高の1517.93。週間 ベースでは6週連続高。ダウ工業株30種平均は48.92ドル(0.4%)高 の13992.97ドル。

ウェルズ・キャピタル・マネジメントのジェームズ・ポールソン最 高投資責任者(CIO)は、「信頼感がここにきて高まりつつある」述 べ、「投資家はようやく、今の状況は自律的な回復のようだと受け止め つつある」と続けた。

S&P500種は年初から6.4%上昇、2007年10月に達した過去最高値 を約3%下回っている。この日の上げで、週間ベースでの下げを埋めて プラスに浮上。前日まではユーロ圏債務危機に対する懸念の再燃や、ド ラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の発言を手がかりに週間ベースで下げ ていた。

ブルームバーグのデータによると、すでに四半期決算を発表した S&P500種採用企業341社のうち約75%で利益が予想を上回り、67%の 企業で売上高が予想を上回った。

EU首脳会合

EU首脳らは7カ年予算案で、EU誕生以来の削減に8日合意し た。国だけでなく欧州のレベルでも緊縮が必要と主張するキャメロン英 首相に押し切られた形となった。

昨年12月の米貿易赤字は前月から縮小、赤字額は市場予想を下回っ た。石油の輸出が拡大した一方で、原油輸入が大幅に落ち込んだことが 影響した。また同月の米卸売在庫は前月比で減少し、6カ月ぶりのマイ ナスとなった。

リンクトインが21%高

SP500種産業別10指数の中でテクノロジー株が最も上げた。米半 導体メーカーのマイクロチップ・テクノロジーは7.2%高。昨年10-12 月(第3四半期)決算は利益と売上高がアナリスト予想を上回った。

リンクトインは21%の急伸。昨年10-12月(第4四半期)決算は売 上高が前年同期比81%増の3億360万ドル。アナリスト予想平均は2 億7970万ドルだった。一部項目を除く利益は1株当たり35セント。予想 平均は19セント。

外食産業大手マクドナルドは0.3%高。1月の既存店売上高は米国 で0.9%増加。コンセンサス・メトリックスのアナリスト予想は0.3%減 だった。

S&P500の水準は過去18カ月間で最も割高となっている。ブルー ムバーグのデータによると、S&P500種の採用銘柄企業の株価収益率 (PER、予想ベース)は2011年10月以来25%上昇して約15倍となって いる。

原題:U.S. Stocks Rise on Earnings Reports, European Budget Agreement(抜粋)

◎米国債:10年債利回り、週間で低下-欧州の景気先行き警戒

米国債市場では10年債利回りが週間ベースで低下。昨年11月以 来で最大の下げとなった。欧州連合(EU)が域内予算の削減で合意 したため、景気先行きへの不安が強まり、米国債への逃避需要が強まっ た。

昨年12月のドイツ輸出額が予想ほど伸びなかったため、米国債は上 昇して始まったものの、ほぼ変わらずで終えた。12月の米貿易赤字が予 想以上に縮小すると、10-12月期の景気拡大を示唆している可能性があ るとして米国債は下げる場面もあった。

グッゲンハイム・パートナーズ(ニューヨーク)の米政府債トレー ディング担当ディレクター、ジェーソン・ローガン氏は「10年債利回り は2%前後が中心の水準だ。その分岐点を下回る水準で推移している。 欧州をめぐる懸念が相場を押し上げ、利回りを左右する材料になってい るようだ」と語った。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後4時45分現在、10年債利回りは前日比ほぼ変わらずの1.95%。同年 債(表面利率1.625%、2022年11月償還)価格は97 4/32。

10年債利回りが最後に2%に上昇したのは6日。1日には1.92% と、1月25日以来の低水準に低下した。週間では7bp低下と、昨年11 月24日終了週以来で最大。

先物の買い越しが増加

米商品先物取引委員会(CFTC)によると、シカゴ商品取引所 (CBOT)でヘッジファンドなど大口投機家による10年債先物の買越 幅は5日終了週に10%増加して4万6906枚となった。

ニューヨーク連銀は2029年4月-42年2月に償還を迎えるインフレ 連動国債(TIPS)を14億ドル購入した。

財務省は来週、四半期定例入札を実施する。規模は720億ドル と、2010年11月から変わっていない。

12日の3年債入札の規模は320億ドル、13日の10年債は240億ド ル、14日の30年債は160億ドル。

バンク・オブ・ノバスコシアの金利ストラテジスト、ガイ・ヘーゼ ルマン氏(ニューヨーク在勤)は「市場は供給を前にして、あまりに早 い段階に売り持ちポジションをとることは望んでいないが、投資家心理 に少し影響している」と述べた。

EU各国首脳は7カ年予算案で、EU誕生以来の削減に8日合意し た。国だけでなく欧州のレベルでも緊縮が必要と主張するキャメロン英 首相に押し切られた形となった。ブリュッセルでの25時間半にわたる議 論の末に合意した2014-20年の予算額は9600億ユーロ(約119兆円)。 当初案の1兆470億ユーロから引き下げられたほか、現会計期の9940億 ユーロも下回った。

貿易統計

独連邦統計庁が8日発表した2012年12月の輸出(営業日・季節調整 済み)は前月比0.3%増加。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコ ノミスト15人の予想中央値は1.4%増だった。

米商務省が発表した昨年12月の貿易収支統計によると、財とサービ スを合わせた貿易赤字(国際収支ベース、季節調整済み)は前月 比20.7%縮小し、385億ドルとなった。ブルームバーグ・ニュースがま とめたエコノミスト予想の中央値は460億ドルの赤字だった。石油の輸 出が拡大した一方で、原油輸入が大幅に落ち込んだことが影響した。

ウィリアムズ・キャピタル・グループの債券取引責任者、デービッ ド・コード氏(ニューヨーク在勤)は「貿易収支は米国債にとってプラ スの材料ではなかった。国内総生産(GDP)に寄与するためだ」と指 摘。「ダウ工業株30種平均が1万4000ドル前後で推移し、貿易収支が経 済に寄与したことに加え、市場参加者の多くが不在で取引が薄かった」 と話した。

原題:U.S. 10-Year Yields Post Biggest Weekly Decline Since November(抜粋)

◎NY金:続落、中国の輸出入統計が予想上回る-逃避需要減退

ニューヨーク金先物相場は続落。世界2位の経済国である中国の輸 出入が市場予想を上回る伸びとなったことを背景に、逃避先とされる金 の需要が減退した。

中国税関総署の発表によれば、1月の輸出は前年同月比25%増加、 輸入は同29%増え、いずれもブルームバーグ・ニュースがまとめたエコ ノミスト予想の中央値を上回った。金は過去1年間に3.7%下落、株式 指標のMSCIオールカントリー世界指数は8.6%値上りした。

T&Kフューチャーズ・アンド・オプションズ(フロリダ州ポート セントルーシー)のマイケル・スミス社長は電話インタビューで、「世 界経済の健全性に対する不安が後退していることから、マネーが株など リスクの高い資産に流れている」と指摘。「金は安全逃避のプレミアム を失っている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4 月限は前日比0.3%安の1オンス=1666.90ドルで終了した。

原題:Gold Futures Decline as Chinese’s Trade Data Erodes Haven Appeal(抜粋)

◎NY原油:小幅続落、ブレントとの価格差は8日連続で拡大

ニューヨーク原油先物相場は続落。一方で北海ブレント原油は中国 の貿易統計を好感して9カ月ぶりの高値に上昇し、ウェスト・テキサス ・インターミディエート(WTI)原油に対する価格上乗せ分は8営業 日連続で拡大した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前日 比11セント(0.11%)安の1バレル=95.72ドルで終了。出来高は100日 平均を31%上回った。週間では2.1%の値下がり。

ロンドンのICEフューチャーズ・ヨーロッパで取引されている北 海ブレント原油先物3月限は、前日比1.66ドル(1.4%)高の1バレル =118.90ドル。昨年5月1日以来の高値で引けた。

中国の税関総署が8日に発表した1月の貿易統計よれば、1月の輸 出は前年同月比で25%増加した。原油の輸入は8カ月ぶりの水準に増加 した。

原題:Brent Oil Rises to Nine-Month High on China; WTI Spread Widens(抜粋)

◎欧州株:上昇、中国指標とEU予算削減で-週間はマイナス

8日の欧州株式相場は1カ月ぶり大幅高。中国の1月の輸出入が予 想を上回る伸びとなったほか、欧州連合(EU)首脳らがEU誕生以来 で初めての予算削減で合意したことが手掛かり。ストックス欧州600指 数は週間ベースでは下げた。

ドイツ2位のソフトウエアメーカー、ソフトウエアAGは2.7% 高。自社株買い計画が好感された。フランスの銀行、クレディ・アグリ コルは約4カ月ぶりの大幅高。エクサーヌBNPパリバが投資判断を引 き上げた。一方、テレコム・イタリアは6カ月ぶり安値。通期利益がア ナリスト予想を下回った。

ストックス欧州600指数は前日比1.2%高の287.34で終了。これは先 月2日以降で最大の値上がり。前週末から0.3%下落したものの、年初 来では依然2.7%高となっている。

オリエル・アセット・マネジメント(ロンドン)で1億ポンド相当 の資産運用に携わるリチャード・スクロープ氏は電話インタビューで、 「中国の経済データ改善は欧州株にとってプラスだ」と発言。「EUが 予算削減を決めたことも賢明だ」と付け加えた。

この日の西欧市場ではギリシャを除く17カ国で主要株価指数が上昇 した。

原題:European Stocks Rise on China Trade Data Report, EU Budget Cuts(抜粋)

◎欧州債:スペイン債は続伸、ECBが緩和姿勢維持との期待で

8日の欧州債市場ではスペイン国債が続伸した。欧州中央銀行 (ECB)のドラギ総裁が金融緩和姿勢を維持する方針を示したこ とを受け、高利回り債の需要が高まった。

アイルランド5年債利回りは2005年以来の水準に低下。同国 が向こう10年の資金調達ニーズの軽減につながる措置について、 ECBと合意したことが手掛かり。ドラギ総裁は7日の政策決定後 の会見で、インフレリスクが抑制されているので「緩和的な政策を 維持することができる」と述べた。イタリア国債は週間ベースで下 げ、2週続落。今月下旬に総選挙を控えた同国では、ベルルスコー ニ前首相の支持率が上昇し、首位に立つ民主党のベルサニ氏との差 が縮まった。

クレディ・アグリコルCIB(ロンドン)の債券ストラテジス ト、ピーター・チャトウェル氏は「流動性が突然途絶えることはな いとの安心感をドラギ総裁が与えたことが全てを支えている」と発 言。「周辺国へのさらなるプラスはアイルランドの合意だ。これは ECBが引き続き周辺国を強く支援し、正しい行動を取っている 国々を手助けする意向があることを示している」と続けた。

ロンドン時間午後4時36分現在、スペイン10年債利回りは 前日比5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の

5.36%。前日は3bp下げていた。同国債(表面利率5.4%、 2023年1月償還)価格はこの日、0.41上げ100.27。2年債利 回りは8bp下げ2.73%となった。

アイルランドは「プロジェクト・レッド」と名付けた計画の下、 旧アングロ・アイリッシュ銀行(AIB)救済に利用した約束手形 を最長40年の長期債と交換する。これによって向こう10年間の 同国の借り入れニーズを200億ユーロ減らすことができるという。

アイルランド5年債は4日続伸し、利回りは10bp下げ

2.81%。一時は2005年10月以来の低水準となる2.79%を付 けた。

イタリア10年債の利回りは前週末比23bp上昇し4.56%。 ドイツ10年債利回りは1.61%。前週末比では7bp下げた。

英国債相場は前日からほぼ変わらずで、10年債利回りは

2.09%。4日には2.17%と、昨年4月20日以来の高水準を付け ていた。同国債(表面利率1.75%、2022年9月償還)価格はこ の日、97.04。

原題:Spanish Bonds Gain Second Day on Bets ECB to Stay Accommodative(抜粋) U.K. Pound Posts Biggest Weekly Advance Versus Euro Since 2011(抜粋)

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