高まる市場の期待感、失望なら反動のリスクも-大詰めの日銀総裁選び

大詰めに近づく日本銀行の次期総裁 選びに向け、市場では新総裁になれば、金融緩和政策が図られるとの思 惑から急速な円安・株高が進んでいる。東京株式市場のTOPIXは週 間ベースで約40年ぶりの連続上昇記録を更新中。一方で、政府提案の候 補者が市場にとって物足りないと受け止められた場合、こうした動きが 一気に逆流するリスクもある。

安倍晋三首相は、自民党総裁として臨んだ昨年の衆院総選挙のさな かから日銀に対し金融緩和の拡大を要求。同党が与党に返り咲くとの見 通しが強まるにつれ、金融市場はこうした首相発言に敏感に反応した。 選挙後も、政府・日銀の共同声明など緩和拡大に向け打ち出される方策 を受け、ほぼ一本調子で円安・株高が進行している。

日銀総裁候補者としては、武藤敏郎・大和総研理事長(元財務事務 次官)や黒田東彦・アジア開発銀行総裁(元財務官)、岩田一政・日本 経済研究センター理事長(元日銀副総裁)らの名前がエコノミストなど の間で取り沙汰されている。

ドイツ証券の大谷洋司シニアアナリストは、首相が金融緩和に積極 的な人物を新総裁に選べなければ、市場の動きが反転する可能性があ り、自民党は夏の参院選で敗北することもあり得ると話す。

日銀の白川方明総裁が辞任の前倒しを表明したことは、市場の動き を一段と後押しした。総裁は5日、4月8日の任期満了を待たずに、両 副総裁の任期が到来する3月19日に辞職することを安倍首相に伝えた。 これを受け、翌6日の東京外国為替市場は、新体制下で日銀の金融緩和 路線が強まるとの観測が広がり、ドル・円相場は約2年9カ月ぶりの円 安値を更新した。

8日の東京株式市場では、TOPIXの終値は前日比11.83ポイン ト(1.2%)安の957.35、日経平均株価は203円91銭(1.8%)安の1 万1153円16銭。ドル・円相場は日本株の下落を背景に円が強含む展開と なり、午後4時16分現在、1ドル=93円19銭を付けている。

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