LIBORめぐるトレーダーとブローカー抜き差しならぬ関係

ロンドン銀行間取引金利 (LIBOR)操作をめぐるスキャンダルで、銀行のために証券の売り 手と買い手を調整する仲介役の業者間ブローカーが、不正操作を可能に する重要な「イネーブラー」といえる役割を果たしたことが、明らかに なってきた。LIBOR操作に関与した大手銀3行に科された制裁金 は、合計で26億ドル(約2420億円)に達している。

銀行間取引を仲介するブローカー最大手のICAPと同業の英RP マーティン・グループは、他行の担当者に好ましいLIBORの数字の 申告を依頼するデリバティブ(金融派生商品)トレーダーからの要請を 伝える仲介者となっていたことが、各国当局の調査の過程で公表された 電子メールで浮き彫りにされた。監督当局は名指しこそしていないもの の、仲介役がその見返りとして、いわゆる「仮装取引」という形で賄賂 を受け取っていたケースもあると指摘している。

金融危機の際に信用市場が機能停止に陥る中で、これらのブローカ ーは影響力を拡大。LIBORの申告を担当するバンカーは、どのよう な数字を提供するか判断するための情報をブローカーにますます依存す るようになり、デリバティブ投資で利益を狙うトレーダーがLIBOR を操作しやすい環境が作られていった。

米司法省が公表した記録によれば、「3カ月物の円建てLIBOR で低い数字がどうしても欲しい」と依頼する電子メールが、2010年3月 3日に1人のトレーダーからあるブローカーに送られた。「『サブミッ ター(申告者)1』から便宜が得られれば、ありがたいのだが」という 内容だ。

事情に詳しい関係者3人が匿名で語ったところでは、このやりとり は、昨年12月に逮捕されたUBS元トレーダーのトム・ヘイズ被告と、 ICAPのブレント・デービス氏(ロンドン在勤)との間で行われ、 「サブミッター1」とは、英銀ロイヤル・バンク・オブ・スコットラン ド・グループ(RBS)のポール・ホワイト氏を指していた。

原題:Interdealer Brokers Emerge as Key Enablers in Libor Scandal(抜粋)

--取材協力:Lindsay Fortado.