中国、日本の中長期債を1年7カ月ぶり大幅買い越し-12月(1)

財務省が8日発表した国際収支状況 (速報)の対内証券投資によると、中国は昨年12月に日本国債などの中 長期債を2457億円買い越した。買い越し幅は2011年5月以来、1年7カ 月ぶりの大きさ。12年通年でも3735億円と2年連続で買い越した。

中国による12月の短期債投資は3252億円の売り越し。通年でも5990 億円の売り越しだが、過去最大だった11年の4兆188億円からは縮小し た。この結果、対日証券投資の合計は12月に795億円の売り越し。昨年 1年間では2291億円売り越した。4年連続の売り越しだが、過去最大だ った11年の3兆4777億円を大幅に下回った。

中国は人民元相場の上昇を抑える為替介入などで積み上がった世界 最大の外貨準備高のリスク管理に取り組んでいる。中国人民銀行(中央 銀行)の周小川総裁は11年4月、運用・投資の分散を改善すべきだと提 言。米国債保有額は世界最大だが、過去最高だった同年7月からは昨 年11月末で11%少ない。共産党の機関紙、人民日報や人民銀幹部らはド ルから他通貨への分散投資を進めるべきだと度々、主張している。

一方、野田佳彦内閣(当時)は昨年9月、日本が実効支配する尖閣 諸島の国有化を閣議決定した。領有権を主張する中国側は激しく反発。 共産党総書記が習近平氏に代わった後も、尖閣周辺の日本領海・領空を 侵犯している。昨年12月に発足した安倍晋三内閣も、尖閣諸島は日本固 有の領土で領有権を交渉する余地はないとの見解を堅持している。

日中関係の悪化は中国での日系企業の売り上げや日本への中国人観 光客にも悪影響が及び、昨年の日中貿易は3年ぶりに減少。日本の貿易 収支は5兆8051億円と過去最大の赤字を記録。経常収支の黒字も4 兆7036億円と前年の半分にとどまり、比較可能な1985年以降で最小とな った。

日本銀行の統計によると、中国の対日債券投資残高は10年末に英国 や米国を抜き、海外勢で最大となった。11年は71.2%増えて17兆9538億 円。財務省の統計では、国際的な金融取引の中心地である英国からの対 日証券投資は昨年79兆8601億円と、欧州債務危機が深刻化した前年を上 回って過去最大となった。