富士通株が一時急騰、半導体再編で採算改善の期待-東京市場

富士通株が一時、約11カ月ぶりの日 中高値を付けた。不振のシステムLSI(高密度集積回路)事業再編を 前日に発表。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は半導体の採算改善 見通しを基に投資判断を「中立」から「アウトパフォーム」へ上げた。

株価は朝方に前日比8.0%高の446円まで買われた。日中高値として は昨年3月19日の447円以来。その後は値を消す場面もあったが、午 前11時9分現在は同12円(2.9%)高の425円で推移している。

システムLSI事業はパナソニックなどと統合、受け皿会社への転 籍約4500人に加え、早期退職や派遣社員削減で5000人を減らす。リスト ラに伴う負担で今期(2013年3月期)純損益予想を、250億円の黒字か ら950億円の赤字に修正した。統合と今期1000億円水準の純損失を日本 経済新聞朝刊が報じた5日に、株価は反落していた。

三菱モルガン証の進均シニアアナリストは7日付リポートで、半導 体事業の構造改革について「リスクは残るが今後収支均衡を維持できる 可能性大」と分析。目標株価も320円から475円に引き上げた。

富士通は16年3月期に純利益1000億円以上、営業利益2000億円以上 を目指す計画も発表。半導体再編のコストなどに伴い、昨年末時点 で25.6%の自己資本比率は来期は20%未満に低下の見込みだが、加藤和 彦CFO(最高財務責任者)は7日の会見で、増資ではなく自力で自己 資本回復が可能だと述べた。

ゴールドマン・サックス証券の松橋郁夫アナリストは8日付リポー トで、富士通の決定は「流れとしては正しい」としながらも再編には労 組や他社との交渉が必要でコスト低下には時間が掛かることなどから、 業績全体に寄与するのは15年3月期以降になるとの見方を示した。

--取材協力:藤村奈央子. Editors: 駅義則, 室谷哲毅