ユーロが対ドル2週ぶり安値圏、ドラギ発言重し-円じり高

東京外国為替市場では、ユーロが対 ドルで前日に続いて2週間ぶりの安値圏で推移した。欧州中央銀行 (ECB)のドラギ総裁がユーロ高のリスクに言及したことなどが重し となり、ユーロは上値の重い展開が続いた。

一方、日本株の下落を背景にリスク許容度の低下が意識される中、 円は午後にかけてじり高となった。対ドルでは1ドル=93円後半から93 円前半へ値を切り上げた。

クレディ・アグリコル銀行外国為替部ディレクター、斎藤裕司氏 は、円の上昇について、日本の三連休や中国の旧正月の前ということも あり、売り持ち高を手じまう動きが出ていると説明。ユーロも「ポジシ ョン調整があるので、重いだろう」と話した。

ユーロ・ドルは前日の海外市場で1ユーロ=1.35ドル後半から1 月25日以来の水準となる1.3371ドルまでユーロ安が進行。この日の東京 市場では一時1.3417ドルまで強含んだものの、ユーロ買いは続かなかっ た。

ユーロ・円相場も海外時間に1ユーロ=127円半ば付近から一時124 円50銭までユーロが下落。東京時間は125円前半を中心にもみ合い、欧 州時間にかけて125円ちょうどを割り込んだ。

ECB総裁発言

ECBのドラギ総裁は7日、政策決定会合後の記者会見で、ユーロ 相場の上昇が景気回復を後押ししようとするECBの取り組みの妨げと なることを当局者らが懸念している状況を示唆した。

ECBは同日の会合で政策金利を0.75%で据え置くことを決定。ド ラギ総裁は、インフレリスクが抑制されていることからECBは「緩和 的な政策を維持することができる」と述べた。また、景気の弱さが顕著 なのは今年の「早い時期」のみになるだろうとの見通しを示したが、景 気見通しへのリスクは依然、下方向だとも付け加えた。

ユーロは1日に対ドルで1.3711ドルと2011年11月以来の高値まで上 昇。対円では6日に127円71銭と10年4月以来の高値を付けた。

みずほ証券の鈴木健吾FXストラテジストは、ドラギ総裁の発言内 容について、直接的ではないものの、「端々にユーロ高をあまり歓迎し ていないというところが透けて見える」と説明。また、ファンダメンタ ルズ(経済の基礎的諸条件)の弱さやインフレ率も落ち着いている状況 が続くとの見通しも示していることから、「将来の利下げバイアスを残 している」と指摘した。

円安トレンドは変わらず

朝方発表された昨年12月の日本の経常収支は2641億円の赤字と前月 に続く赤字となった。貿易赤字の拡大などを受けたもので、額は市場予 想を上回った。2カ月連続の赤字は統計上、比較可能な1985年1月以降 で初めて。

みずほ証の鈴木氏は、日本の経常収支が市場の予想を上回る赤字額 となり、海外市場で円売り材料として「再び焼き直される可能性は十分 ある」と指摘。その上で、日本銀行の新総裁人事をめぐる思惑が続く中 で、「トレンドは引き続きドル高・円安方向にある」との見方を示し た。

安倍晋三首相は衆院予算員会の答弁で、次期日銀総裁の人事につい て、能力本位で、金融政策について考え方を共有する人だとし、財務省 出身者も否定しない考えを示した。また、結果が出なければ日銀法改正 も現実味を帯びてくると述べた。

ドル・円は6日に一時10年5月以来の水準となる94円06銭まで円安 が進行。7日の海外市場では93円ちょうど付近まで円買いが進み、この 日の東京市場でも午後に93円13銭を付けた。

8日の東京株式相場は下落。日経平均株価は203円91銭(1.8%)安 の1万1153円16銭となった。

中国指標

一方、中国の1月の貿易収支は291億5000万ドルの黒字となった。 輸出は前年同月比25%増で、輸入は同28.8%増。ブルームバーグ・ニュ ースがまとめたエコノミスト予想の中央値はそれぞれ17.5%増、23.5% 増で、貿易黒字の予想中央値は247億ドルだった。1月の消費者物価指 数(CPI)は前年同月比2.0%上昇で市場予想と一致した。

中国の金融市場は春節(旧正月)のため、11日から15日まで休場。 取引は18日に再開される。

--取材協力:三浦和美,大塚美佳. Editors: 青木 勝, 崎浜秀磨

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