2月7日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロが下落、ECB総裁が通貨高に懸念を表明

ニューヨーク外国為替市場ではユーロが対ドルで下落。昨年7月以 来の大幅安となった。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は最近のユ ーロ高について、インフレ率の行き過ぎた低下を招くとして懸念を表明 した。

ユーロは主要16通貨のうち14通貨に対して下落。ドラギ総裁はフラ ンクフルトでの政策会合後に記者会見し、景気見通しへのリスクは依然 として「下方向」だと述べた。ポンドは続伸。イングランド銀行(英中 央銀行)のカーニー次期総裁の発言で、追加刺激への期待が後退した。

バークレイズの通貨ストラテジスト、アループ・チャタジー氏(ニ ューヨーク在勤)は電話取材に対し、「ユーロ圏には通貨高を受け入れ る余裕はない」と指摘。「ドラギ総裁は為替相場をリスクとして言明し た。これ自体、重大なことであり、大半の市場参加者は予想していなか った」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロはドルに対し前日比0.9% 安の1ユーロ=1.3398ドル。一時は7月5日以来で最大の1.1%安とな る場面もあった。対円では0.9%下げて125円44銭。円は対ドルでほぼ変 わらずの1ドル=93円63銭。

ブルームバーグ相関加重指数によれば、ユーロは過去6カ月間 に7.2%上昇。同指数を構成する先進10カ国通貨のうち最も値上がりし た。ドルは1.9%下落。円は20%値下がりした。

ドラギ総裁は7日、ユーロ相場の上昇が景気回復を後押ししようと するECBの取り組みの妨げとなることを示唆した。

総裁は政策決定会合後の記者会見の冒頭で、インフレには下向きの リスクがあるとして、「経済活動の弱まりと、最近ではユーロ相場の上 昇に起因する」と述べた。総裁の発言はECBのウェブサイトに掲載さ れた。ECBはこの日、政策金利を過去最低の0.75%で据え置いた。

クレディ・アグリコルの為替ストラテジスト、シレーン・ハラーリ 氏(ニューヨーク在勤)は電話取材に対し、「きょう予想外だったの は、ECBがユーロの上昇をユーロ圏のインフレ見通しに直接結びつけ たことだ」と指摘。「これは利下げの確率を高めるものだと考えてい る。3月利下げはないと思うが、状況判断という意味で3月は重要な月 になるだろう」と述べた。

ドラギ総裁は記者会見で、「相場上昇が持続的なものであるかどう か、物価安定へのリスクに関する当中銀の判断に変化をもたらすものか どうかを見極めたい」と述べた。これを受けてドイツの2年債利回りは 4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げて0.18%となった。

ポンドは対ユーロ、対ドルで2日続伸。7月にイングランド銀総裁 に就任するカナダ銀行(中央銀行)のカーニー総裁は、英議会で現在の 金融政策で十分に景気を支援できるとの見方を示した。

イングランド銀行は7日の金融政策委員会(MPC)で、資産買い 取りプログラムの規模を3750億ポンド(約55兆2200億円)で維持するこ とを決めた。政策金利であるレポ金利については、過去最低の0.5%に 据え置いた。

スタンダード・チャータード銀行の先進10カ国(G10)通貨戦略責 任者、ネッド・ランペルティン氏(ロンドン在勤)は「証言前の段階で 市場はずっとハト派寄りの見方を期待していた」と指摘。「カーニー総 裁の姿勢はずっとバランスがとれており、よく考えてから発言してい る。もっと断定的なスタンスを予想していた人には驚きだったかもしれ ない」と述べた。

ポンドは対ユーロで前日比1.3%上昇の1ユーロ=85.26ペンス。今 月1日には、2011年10月以来の安値となる87.17ペンスに下げていた。 ポンドはこの日、対ドルでは0.3%上昇し1ポンド=1.5716ドル。

原題:Euro Falls Most Since July as Draghi Warns of Slowing Inflation(抜粋)

◎米国株:下落、企業決算の低迷や欧州当局者の景気に関する発言で

7日の米国株は下落。企業決算が投資家の失望を誘ったほか、欧州 の政策当局者がユーロの上昇は域内の景気回復を損ねる恐れがあるとの 警戒感を示したことが嫌気された。

携帯電話サービス事業者のスプリント・ネクステルは0.5%下落。 月次契約者数の減少が売り材料となった。業績見通しが市場予想を下回 ったアカマイ・テクノロジーズは急落。一方、アップルは3%上昇。同 社は「株主への追加的な現金還元策について積極的に協議」し、優先株 発行の提案も検討していることを明らかにした。これより前、デービッ ド・アインホーン氏率いる米ヘッジファンド運用会社グリーンライト・ キャピタルがアップルにもっと株主に利益を還元するよう求めていた。

S&P500種株価指数は0.2%下げて1509.39。一時は0.9%安まで下 げる場面もあった。ダウ工業株30種平均は42.47ドル(0.3%)下落し て13944.05ドル。

ウエストウッド・ホールディングス・グループのマーク・フリーマ ン最高投資責任者(CIO)は「ここまであまりにも速く動き過ぎたの で、投資家は何か取り除ける材料はないか、その兆候を探っている」と 述べ、「ここからさらに上昇するためには前向きな手掛かりが必要だ」 と続けた。

S&P500種は年初から5.8%上昇、2007年10月に達した過去最高値 を約3.6%下回っている。S&P500種は09年3月に記録した安値からは 2倍超の水準に上昇。金融当局による3度の量的緩和が影響した。

ドラギ総裁の見方

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は7日、ユーロ相場の上昇が インフレ率の低下要因や景気回復の妨げとなることを当局者らが懸念し ている状況を示唆した。ドラギ総裁の発言後、株価は世界的に下げた。

総裁は政策決定会合後の記者会見で「為替相場は政策が目標とする ものではないが、成長と物価安定にとって重要だ」と語った。ECBは この日、政策金利を0.75%で据え置いた。ドラギ総裁は「この相場上昇 が持続的なものであるかどうか、物価安定へのリスクに関する当中銀の 判断に変化をもたらすものかどうかを見極めたい」と述べた。

米労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み) は、前週比5000件減の36万6000件。ブルームバーグ・ニュースがまとめ たエコノミスト予想の中央値は36万件だった。

また昨年10-12月(第4四半期)の非農業部門労働生産性指数(確 定値)は前期比年率2%低下。ほぼ2年ぶりの大幅な低下となった。7 -9月(第3四半期)は3.2%上昇だった。

シカゴオプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は0.7%上昇の13.50。週間ベースではこれまで4.7%上昇し ている。

スプリントやニューズが下落

S&P500種産業別10指数のうち8指数が下落。素材株やエネルギ ー株、金融株が特に下げた。景気敏感株で構成されるモルガン・スタン レー・シクリカル指数は0.6%低下した。

スプリントは0.5%安。昨年第4四半期の月次契約者数は24万3000 人減少。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想平均値では約20 万6000人の減少が見込まれていた。

メディア企業、ニューズ・コープは2.3%安。同社は傘下FOXテ レビの人気オーディション番組「アメリカン・アイドル」などの番組視 聴率が落ち込んだことを受けて、利益見通しを引き下げた。

米2位の生命保険会社プルデンシャル・ファイナンシャルは2.8% 下落。昨年第4四半期決算は、円などの為替相場の変動に関連するコス トが響き、損益が赤字となった。

原題:U.S. Stocks Decline on Comments From Draghi, Earnings Reports(抜粋)

◎米国債:10年債利回りは2%未満-ECBが景気先行きを警戒

米国債市場では10年債利回りが低下、7日ぶりに2%を下回る水準 にとどまった。ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の発言を受け、米国 債への逃避需要が高まった。同総裁はユーロ相場の上昇が景気回復を後 押ししようとするECBの取り組みの妨げとなることを当局者が懸念し ている状況を示唆した。

先週の米新規失業保険申請件数が前週比で減少した一方、昨年10 -12月(第4四半期)の労働生産性は予想以上に低下した。これを材料 に利回りは荒い動きとなった。ニューヨーク連銀は2036年2月ー2042 年11月に償還を迎える米国債を15億ドル相当購入した。

ウィリアムズ・キャピタル・グループの債券取引責任者、デービッ ド・コード氏(ニューヨーク在勤)は「過去に米国債相場を押し上げ た、欧州のような問題の一部が再燃している。景気には明るい兆候が見 られる一方、脅威は残っているとの認識もある」と指摘した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは1.96%。同年債(表面利 率1.625%、2022年11月償還)価格は1/32上昇して97 1/32。

先進10カ国通貨で構成されるブルームバーグ相関加重指数によれ ば、ユーロは過去6カ月に7.2%高と上昇率首位。

ボラティリティ

ボラティリティ(変動性)の指標とされるメリル・オプション・ボ ラティリティ・エスティメート(MOVE)指数は6日に62.8となっ た。これは連邦公開市場委員会(FOMC)が毎月400億ドル相当の住 宅ローン担保証券(MBS)を購入すると発表した昨年9月13日以降の 平均である59.7を上回っている。

ユナイテッド・ネーションズ・フェデラル・クレジット・ユニオン (ニューヨーク)の最高投資責任者(CIO)、クリストファー・サリ バン氏は「経済的および政治的な不透明感を背景にレンジ内の取引が続 いている。景気回復は抑制されている。利回りが2%あるいはそれをや や上回る水準では投資家の買い意欲は強い」と述べた。

労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み) は、前週比5000件減の36万6000件。ブルームバーグ・ニュースがまとめ たエコノミスト予想の中央値は36万件だった。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によると、 米国債の年初から前日までのリターンはマイナス0.9%。1月はマイナ ス1%と、月間ベースでは昨年3月以来のきつい下げとなった。運用担 当者が高利回り証券の購入に動いたことが背景にある。ドイツ債のリタ ーンはマイナス1.5%。

「双方に言い分」

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏(ニューヨーク在勤)は「強気、弱気の両方に言い分がある。基本的 なデータは弱気な見方を支持している。一方、金融当局が金融緩和を早 期にやめる気配はない。それが相場下落を阻んでいる」と語った。

ブルームバーグが金融機関を対象に実施した調査では、10年債利回 りは年末までに2.25%に上昇すると予想されている。実際にそうなった 場合、この日に10年債を購入した投資家のリターンはマイナス0.5%と なる。

原題:Treasury 10-Year Notes Gain With Yield Below 2% on ECB Concern(抜粋)

◎NY金:反落、代替需要が減退-ECB総裁発言でドルが買われる

ニューヨーク金先物相場は反落。ドルが上昇したことから、代替投 資としての金買いが鈍った。

ドルは主要通貨のバスケットに対して4週間ぶりの高値となった。 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁はユーロ相場上昇による物価安定 へのリスクに言及し、景気回復を後押ししようとするECBの取り組み の妨げとなることを当局者らが懸念している状況を示唆した。

シティグループの商品先物スペシャリスト、スターリング・スミス 氏(シカゴ在勤)は電話インタビューで、「市場はドラギ総裁の発言に 反応しており、ドルが買い進まれている」と指摘。「インフレ懸念が無 くなれば、金の魅力もなくなる」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4 月限は前日比0.4%安の1オンス=1671.30ドルで終了。中心限月として は先月31日以来の大幅下落となった。

原題:Gold, Silver Futures Decline Most in a Week as Dollar Advances(抜粋)

◎NY原油:2週ぶり安値-ECB総裁発言で欧州の減速を懸念

ニューヨーク原油先物相場は下落。2週間ぶりの安値となった。 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁がユーロ相場上昇による景気回 復へのリスクに言及したことを背景に、燃料需要減退につながるとの 見方が広がった。

ユーロは対ドルで続落。英BPの統計によると、欧州連合(EU) は2011年の世界原油使用量の16%を占めた。ウェスト・テキサス・イン ターミディエート(WTI)原油に対する北海ブレント原油の価格上乗 せ分は7日連続で拡大した。前日の米エネルギー省発表によると、先週 の原油在庫は262万バレル増加して3億7170万バレルと、昨年12月7日 以来の高水準となった。

アイアイトレーダー・ドット・コムの市場担当シニアストラテジス ト、ビル・バルーク氏(シカゴ在勤)は、「欧州の成長減速は輸出の減 速や原油需要の減少を意味する」と指摘。「ユーロが大きく売られてお り、原油はそれにつられる形になっている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前日 比79セント(0.82%)安の1バレル=95.83ドルで終了。終値では先 月23日以来の安値となった。

原題:Oil Falls to Two-Week Low on Concern Euro Gains May Curb Growth(抜粋)

◎欧州株:ほぼ変わらず-ECB総裁会見と仏スペイン入札に注目

7日の欧州株式相場はほぼ変わらず。欧州中央銀行(ECB)の ドラギ総裁は政策は引き続き緩和的だと強調し、低金利が年内に始ま る成長を推進するだろうと語った。フランスとスペインの国債入札も 注目された。

英携帯電話サービスのボーダフォン・グループを中心に通信株が買 われた。ボーダフォンは今年度3月期の業績見通しを据え置いた。イタ リアの銀行、モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナは3日続伸。増配を 発表したノルウェーの銀行、DNBは2011年6月以来の高値を付けた。 一方、仏製薬会社サノフィは昨年11月以来の安値となった。減益見通し が嫌気された。

ストックス欧州600指数は前日比0.2%安の283.88で終了。一時 は0.6%上昇した。年初来では1.5%上げている。

ミラボー・セキュリティーズ(ジュネーブ)のバイスプレジデン ト、ジョン・プラサード氏は「欧州で最近、再び緊張が高まったことか ら、ドラギ総裁はマクロ経済についての懸念だけでなく、モンテ・パス キ問題についての質問に答えることで自身に対する懸念を静める必要が あった」と発言。「総裁はうまくやってのけた。景気を支援するために 緩和政策を継続すると示唆した。今週に入ってから市場ではこうしたプ ラス要因が切望されていた」と付け加えた。

フランスは計79億8000万ユーロ相当の国債を発行、スペインは国債 入札で目標上限を上回る資金を調達した。落札利回りはいずれも前回入 札時から上昇した。

この日の西欧市場では18カ国中12カ国で主要株価指数が下落。仏 CAC40指数は1.2%下げ、年初来の上げを消した。

原題:European Stocks Little Changed After Debt Sales, Draghi Comments(抜粋)

◎欧州債:ドイツ中心に上昇、ECB総裁の緩和維持発言で-英債軟調

7日の欧州債市場ではドイツを中心にユーロ圏諸国の国債が買われ た。域内のインフレリスクが抑制されているため「緩和的な政策を維持 することができる」とのドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の発言が手 掛かり。

ドイツ国債の2年物と5年物利回りは2週間ぶり低水準を付けた。 ドラギ総裁は景気見通しへのリスクは引き続き「下向き」と指摘。 ECBはこの日、政策金利を過去最低の0.75%に据え置いた。ブルーム バーグ・ニュースの調査で予想された通りだった。入札で46億1000万ユ ーロ相当の債券を同日発行したスペインの国債は上昇。イタリア10年債 利回りは8週間ぶり高水準から低下した。

コメルツ銀行の債券ストラテジスト、マイケル・ライスター氏(ロ ンドン在勤)は「ドラギ総裁は用意したコメントの中で、ECBが流動 性の状況を注視するとし、緩和的な政策姿勢は引き続き適切だと強調し た」と述べ、「これは市場が期待していた口先介入で、ドイツ国債にと ってプラスだ」と付け加えた。

ロンドン時間午後4時38分現在、ドイツ5年債利回りは前日比6ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.63%。一時は0.61% と、先月25日以来の低水準となった。同国債(表面利率0.5%、2018年 2月償還)価格は0.295上げ99.405。

ドイツ2年債利回りは4bp下げ0.18%。先月24日以来の低水準と なる0.16%まで下げる場面もあった。10年債利回りは3bp低下 し1.60%、30年債利回りは1bp下げて2.37%。

スペイン10年債利回りは3bp下げ5.41%。同年限のイタリア債利 回りは前日からほぼ変わらずの4.57%。一時は4.62%と、昨年12月14日 以来の高水準に達した。

英国債

英国債相場は下落。イングランド銀行(英中央銀行)次期総裁のマ ーク・カーニー氏が、現行の英金融政策は景気支援に十分である公算だ と発言し、就任後に同氏が緩和措置を拡大させるとの観測が後退した。

10年債利回りは前日比1bp上昇の2.11%。4日には昨年4月20日 以来の高水準となる2.17%まで上げた。同国債(表面利率1.75%、2022 年9月償還)価格はこの日、0.1下げ96.92。

原題:German Bonds Rise as Draghi Says Policy Can Remain Accommodative(抜粋) Pound Rises as Carney Damps Bets on Greater Stimulus; Gilts Drop (抜粋)