米国債:10年債利回りは2%未満-ECBが景気先行きを警戒

米国債市場では10年債利回りが低 下、7日ぶりに2%を下回る水準にとどまった。ドラギ欧州中央銀行 (ECB)総裁の発言を受け、米国債への逃避需要が高まった。同総裁 はユーロ相場の上昇が景気回復を後押ししようとするECBの取り組み の妨げとなることを当局者が懸念している状況を示唆した。

先週の米新規失業保険申請件数が前週比で減少した一方、昨年10 -12月(第4四半期)の労働生産性は予想以上に低下した。これを材料 に利回りは荒い動きとなった。ニューヨーク連銀は2036年2月ー2042 年11月に償還を迎える米国債を15億ドル相当購入した。

ウィリアムズ・キャピタル・グループの債券取引責任者、デービッ ド・コード氏(ニューヨーク在勤)は「過去に米国債相場を押し上げ た、欧州のような問題の一部が再燃している。景気には明るい兆候が見 られる一方、脅威は残っているとの認識もある」と指摘した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは1.96%。同年債(表面利 率1.625%、2022年11月償還)価格は1/32上昇して97 1/32。

先進10カ国通貨で構成されるブルームバーグ相関加重指数によれ ば、ユーロは過去6カ月に7.2%高と上昇率首位。

ボラティリティ

ボラティリティ(変動性)の指標とされるメリル・オプション・ボ ラティリティ・エスティメート(MOVE)指数は6日に62.8となっ た。これは連邦公開市場委員会(FOMC)が毎月400億ドル相当の住 宅ローン担保証券(MBS)を購入すると発表した昨年9月13日以降の 平均である59.7を上回っている。

ユナイテッド・ネーションズ・フェデラル・クレジット・ユニオン (ニューヨーク)の最高投資責任者(CIO)、クリストファー・サリ バン氏は「経済的および政治的な不透明感を背景にレンジ内の取引が続 いている。景気回復は抑制されている。利回りが2%あるいはそれをや や上回る水準では投資家の買い意欲は強い」と述べた。

労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み) は、前週比5000件減の36万6000件。ブルームバーグ・ニュースがまとめ たエコノミスト予想の中央値は36万件だった。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によると、 米国債の年初から前日までのリターンはマイナス0.9%。1月はマイナ ス1%と、月間ベースでは昨年3月以来のきつい下げとなった。運用担 当者が高利回り証券の購入に動いたことが背景にある。ドイツ債のリタ ーンはマイナス1.5%。

「双方に言い分」

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏(ニューヨーク在勤)は「強気、弱気の両方に言い分がある。基本的 なデータは弱気な見方を支持している。一方、金融当局が金融緩和を早 期にやめる気配はない。それが相場下落を阻んでいる」と語った。

ブルームバーグが金融機関を対象に実施した調査では、10年債利回 りは年末までに2.25%に上昇すると予想されている。実際にそうなった 場合、この日に10年債を購入した投資家のリターンはマイナス0.5%と なる。

原題:Treasury 10-Year Notes Gain With Yield Below 2% on ECB Concern(抜粋)