英中銀:景気支援の姿勢を堅持-保有債の償還資金は再投資へ

イングランド銀行(英中央銀行)は 7日の金融政策委員会(MPC)で、約4年前に始めた資産買い取りプ ログラムで購入した債券のうち、満期を迎える分について再投資する方 針を明らかにした。同時に、同プログラムの規模を3750億ポンド(約55 兆円)で維持することを決めた。

キング総裁率いるMPCは声明で、保有国債のうち3月7日の償還 で得られる66億ポンドを再投資すると説明。インフレ率については、向 こう2年にわたり目標の2%を上回るとの見通しを示した。

7月に就任するカーニー次期総裁はこの日の議会証言で、英国経済 が現状からの「脱出速度」を得るために現行政策は十分なもようだとの 認識を示した。英国債の再投資計画は、前例のない3番底リスクに見舞 われる同国の中銀が引き締め回避を目指している姿勢を示すものだ。イ ンフレ率は従来予想よりも長期に目標を上回る水準にとどまる公算が大 きいものの、MPCは一時的要因として注意深く見守ると表明した。

バークレイズのエコノミスト、サイモン・ヘイズ氏(ロンドン在 勤)は「中銀声明はMPCが直面している深刻なジレンマを浮き彫りに した」と述べ、「弱い景気見通しは追加刺激を必要としているが、イン フレ見通しはMPCが緩和拡大に安心感を抱けるほど十分に良い内容で はない」と続けた。

英中銀はインフレがエネルギー値上がりやポンド下落によって短期 的に加速する可能性を指摘。その上で、「インフレ率を早期に目標水準 に戻そうとして金融市場が想定しているよりも迅速な現行刺激策の解除 に動けば、景気回復を頓挫させインフレ率が中期的に目標を下回るリス クを冒すことになる」と説明。さらに、「成長とインフレの見通しから 必要と判断されれば、追加の金融刺激を行う用意がある」として、「緩 慢ながらも回復持続」が見込まれる英経済への「リスクは下向きだ」と の見方を示した。

MPCは2009年に始めた国債購入を昨年11月にいったん停止。信用 収縮を和らげて景気支援を図ろうと同年8月1日に開始した「融資のた めの資金調達スキーム(FLS)」へと軸足を移した。MPCはこの 日、FLSが年内の景気拡大の一助になるだろうと予想した。

カーニー氏は議会証言で、目標を上回るインフレ率を静観する姿勢 を示したMPCを支持し、中銀は柔軟であるべきだと主張。「カナダと 英国で行われているインフレ目標の柔軟な運営が、これまで講じられた 金融政策の枠組みとして最も効果的であることが証明されてきた」と し、「従って、これを変更する場合のハードルは極めて高い」と論じ た。

英中銀は政策金利であるレポ金利については、過去最低の0.5%に 据え置いた。資産買い取り規模の維持も含め、ブルームバーグ・ニュー スが実施したエコノミスト調査の予想通りだった。この日の会合の議事 録は20日に公表される。キング総裁は13日、最新の経済・物価見通しを 明らかにする。

原題:BOE to Reinvest Maturing Gilts as Stimulus Policy Sustained (1)(抜粋)

--取材協力:Emma Charlton、Jennifer Ryan.