富士通:パナとLSI事業統合で新会社、5000人の削減も

富士通はパナソニックとの間で、自 動車や家電の制御に用いる半導体のシステムLSI(高密度集積回路) の設計・開発事業を統合することで合意した。受け皿として設立予定の 新会社への出資を日本政策投資銀行に要請した。

富士通の7日の発表資料によると、主力である三重工場の300ミリ ラインについても、世界最大の半導体受託生産会社の台湾TSMCも新 参加する別の共同出資会社への移管を検討。半導体再編の費用として、 今期(2013年3月期)の下期で1120億円を見込む。

同社は合わせて、早期退職や派遣社員のカットを通じて5000人を削 減し、半導体関連の人員約4500人も新会社に転籍させると発表。昨年3 月末の連結人員は17万3000人。リストラに伴う負担で今期の純損益予想 を、250億円の黒字から950億円の赤字に一転させた。純損失計上は09年 3月期以来4年ぶりで、期末配当予想も5円から無配とした。

いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は「システム LSIをやめることはプラス。株価はリストラを好感し短期的には上昇 の可能性がある」と述べた。一方で「長期的には収益源がなく、成長戦 略に力強さがない」として、追加リストラを迫られる可能性を指摘し た。

富士通の山本正已社長は7日の会見で、同じくシステムLSIで苦 戦し官民支援が決まったルネサスエレクトロニクスにも統合の「門は開 いている」と述べ、受け入れ姿勢を示した。

3年後の純利益目標1000億円

山本社長によると、昨年末時点で25.6%の自己資本比率は、半導体 再編の負担と年金未認識債務のオンバランス化で、来期は20%未満に低 下の見込み。同席した加藤和彦CFO(最高財務責任者)は、増資では なく自力で同比率の回復が可能だと述べた。16年3月期に純利益1000億 円以上、営業利益2000億円以上を目指す計画も発表した。

富士通はTSMCへの製造委託や設備売却で半導体の損益改善を図 ってきた。現在の工場は三重と会津若松の2カ所だけだ。しかし、半導 体を主体とする電子部品部門の今期営業損益予想は120億円の赤字。

一方、パナソニックの半導体事業の昨年4-12月期営業損益も、構 造改革で前年同期比210億円改善したもののテレビなどの苦戦が続き、 赤字を継続。損益改善幅は当初想定を下回った。売上高は前年同期 比10%減の1070億円だった。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE