日銀オペでマイナス金利の可能性、実現すれば初-付利金利撤廃の観測

日本銀行が金融市場に資金供給のた めに行っている金融市場調節オペレーションで、初のマイナス金利が付 く可能性が出ている。資産買い入れ等基金における長期国債購入オペの 最低落札金利で、実現すれば、日銀が基金とは別に行っている月1.8兆 円の長期国債買い入れオペも含め、初めてとなる。

7日の東京市場で、2年物国債利回りは0.030%と2002年9月以来 の水準に低下した。日銀の当座預金口座に民間銀行が積む準備預金の超 過分に適用される0.1%の付利を大きく下回る水準で、付利撤廃の見方 が金融市場で強まっていることが背景にある。

日銀は7日、月3回ペースで行っている資産買い入れ等基金におけ る長期国債の買い入れオペのオファーを見送った。しかし、山下周ドイ ツ証券チーフ金利ストラテジストは「付利撤廃観測を背景として、金利 は低下傾向にある。近く日銀のオペでマイナス金利が発生する可能性が ある」と指摘する。東短リサーチの加藤出チーフエコノミストも「常態 化するかどうか分からないが、一時的にマイナス金利が発生する可能性 がある」という。

加藤氏は「今月行われた2年物国債の発行で大手行が大量に応札し たと言われており、市場で流通している国債が不足している。このた め、日銀の資金供給オペに対して一部の参加者が強気で応じ、実勢より 低い金利で応札する可能性がある」という。山下氏は「いったんマイナ ス金利が発生すれば、今後マイナス金利が常態化する可能性もある。欧 米で金融緩和に打ち止め感が出ているため、内外金利差が拡大する方向 にあり、為替相場にも円安要因として働くだろう」とみる。

白川総裁の早期辞任

付利撤廃の思惑が強まっているのは、白川方明総裁の退任後、新総 裁の下でより大胆な金融緩和が行われるとの見方が背景にある。白川総 裁は5日夜、4月9日の任期満了前に辞任する意向を安倍晋三首相に伝 えた。この結果、4月3、4日の金融政策決定会合は新しい正副総裁の 下で迎えることになる。付利をめぐっては、12月の決定会合で石田浩二 審議委員が「0%」への引き下げを提案したが、反対多数で否決され た。

日銀は資産買い入れ等基金を年末までに足元の65兆円程度から101 兆円まで積み上げることを決めている。日銀の佐藤健裕審議委員は6 日、前橋市内で会見し、「仮に付利を廃止すると、日銀が資産買い入れ のオペのオファーをしても金融機関がオペに応じなくなり、基金の積み 上げが難しくなる可能性がある」と述べた。

佐藤委員は一方で、「金融機関がオペに応じるかどうかは金利水準 次第という面がある」と指摘。「日銀が市場実勢対比で有利な条件を提 示することで、金融機関がオペに参加するインセンティブを与えること ができるかもしれない」と指摘。「仮に付利を撤廃しても、たとえば、 日銀がマイナス金利で国債を買い入れれば、オペは成立するかもしれな い」と語った。