日経平均反落、業績失望のニコン、クボタ売り-売買50億株に

東京株式相場は、日経平均株価が反 落した。今3月期業績計画を下方修正したニコンが大幅安となり、精密 機器が業種別下落率のトップ。昨年10-12月期利益の不振が嫌気された クボタをはじめ、機械株も安い。為替の円安一服、相場全般が前日急騰 した反動を警戒する売りも出た。

半面、銀行や証券など金融株は、景気回復や積極的な金融緩和の前 倒し期待などで終日堅調。値上げ期待の広がった日本製紙グループ本社 などパルプ・紙、運賃市況の下げ止まり期待で海運株も上げた。

日経平均株価の終値は前日比106円68銭(0.9%)安の1万1357円7 銭、TOPIXは0.36ポイント(0.04%)高の969.18と小幅ながら続伸 した。東証1部の売買高は50億株を超え、東日本大震災後間もない2011 年3月15日(57億7715万株)に次ぐ歴代2位の高水準。

しんきんアセットマネジメント・投信運用部の藤原直樹副部長は、 「上昇ピッチの速さからテクニカル面では手じまおうという投資家はい る」としながらも、現在の為替水準が定着すれば、「来期業績は上振れ る可能性が出てくる。来期を見据えれば、株価の上値余地はある」との 見方を示した。

海外からの目立った材料に乏しい中、前日の取引でリーマン・ショ ック後の高値を奪回した後でもあり、TOPIXは前日比プラスとマイ ナスを何度も繰り返す方向感の見出しにくい展開だった。国内では、決 算発表が相次いでいることで個別銘柄の明暗が分かれる中、東証1部全 体としてはやや値下がり銘柄が多かった。

ニコンが指数押し下げ

個別銘柄で最も下げが目立ったのはニコンで、一眼レフ低迷を主因 に、今期営業利益見通しを減額したことが響いた。ニコンは東証1部の 下落率トップで、TOPIXや日経平均の押し下げ寄与度でも1位とな った。今期営業利益見通しを36%減額したヤマハも大幅安。東証1部売 買代金上位では、前日急伸した三菱重工業のほか、キヤノンやソフトバ ンク、鉱山機械需要の先行き不透明感が出たコマツが安い。

為替は、きのうのニューヨーク市場でユーロが主要16通貨の大半に 対し下落。スペインでラホイ首相が野党からの辞任要求に抵抗したこと に加え、ギリシャの財務相がユーロ高に懸念を示したことなどが材料視 された。きょうの東京市場では、円が対ユーロでおおむね126円前半、 対ドルでは93円前半での動きが多く、きのうの東京株式市場の終値時 点127円10銭、93円71銭に比べ円安の勢いは一服した。

買い意欲強さ売買拡大につながる

一方で、マツダは急伸し、東証1部売買代金の首位とにぎわった。 ゴールドマン・サックス証券では、通期利益の大幅増額はポジティブサ プライズと評価した。昨年4-12月期純利益が7割近く増えた三井不動 産も上昇。午後に入り4-12月期決算を発表し、営業増益を確認した大 成建設や鹿島など大手ゼネコン株も高い。

決算動向について、しんきんアセットの藤原氏は「好決算銘柄が買 われて業績悪化が売られるなど、市場の反応ははっきりしている。下方 修正が若干多いが、円安を背景とした来期業績期待が下支えしている」 と分析していた。

「一本調子で上げてきたことからやや過熱感はつきまとい、調整が あってしかるべき」と見るのは、丸三証券の牛尾貴投資情報部長だ。た だ、急ピッチの上昇で買いそびれた投資家も少なくなく、「下げたら買 いたい向きが多い」とも言う。下値買い意欲の強さは、東証1部売買高 が概算で51億4000万株、売買代金が同2兆7716億円と膨らんだことから もうかがえる。

ストラテジストは強気続く

ストラテジストらからも、日本株への強気判断が継続した。モルガ ン・スタンレーMUFG証券では、アベノミクスの成果で市場は日本の 国内総生産(GDP)成長率と企業株主資本利益率(ROE)の継続的 改善が促される状況をさらに織り込むとし、グローバル株式投資戦略で 日本株の選好順位を引き上げた。シティグループ証券では、日本株は少 なくとも春まで上昇基調を維持する可能性が高い、とみている。

東証1部値上がり銘柄数は708、値下がりは877。東証1部33業種は 精密や食料品、機械、保険、倉庫・運輸など14業種が下落、パルプ・紙 や証券・商品先物取引、海運、石油・石炭製品、陸運、その他金融、非 鉄金属など19業種は上げた。