債券は上昇、米金利低下や日銀緩和期待で-5年債利回り過去最低更新

債券相場は上昇。前日の米長期金利 の低下や日本銀行による金融緩和策への期待感を背景に買いが優勢とな った。特に中期債に買い圧力が強く、新発5年債利回りは2000年に発行 を開始して以降の最低水準を更新し、新発2年債利回りは02年9月11日 以来の低水準を付けた。

みずほコーポレート銀行資金証券部の新井厚志次長は、相場につい て、「次期日銀執行部の顔触れや政策が見えてこない中で、思惑が高ま って金利が低下している。新発2年債は特殊な需給要因が影響している 面もあるが、既発2年債も付利(日銀超過準備に付く金利)引き下げを 織り込んでいる」と説明。「日銀の国債買い入れの年限延長や長期金利 に働き掛けるような政策への期待感もあり、5年債利回りは0.15%から 上昇しづらく、10年債利回りも0.7%台でのレンジ相場が続く」とも述 べた。

中期債市場では、新発5年物107回債の利回りが前日比0.5ベーシス ポイント(bp)低い0.14%で始まった後も買い優勢の展開が続いた。午 後に入ってからは0.135%を付け、2000年の発行開始後の最低を更新し た。新発2年物325回債利回りは2bp低い0.025%まで低下し、およそ10 年ぶりの低水準に達した。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の327回債利回 りは前日比1bp低い0.765%で開始。一時は0.75%まで低下し、1日以 来の低水準に並ぶ場面があった。午後3時すぎは0.765%で推移してい る。

BNPパリバ証券の藤木智久グローバル・マーケット・ストラテジ ストは、「短中期ゾーン主導で堅調地合いが続いている。2年債は、前 週の入札で大量の不明玉があるなど需給がひっ迫している上、市場は付 利引き下げも織り込む展開」と指摘した。また、「長期金利は金融緩和 期待とこれに伴う円安・株高の材料が綱引きしている状況だが、米金利 上昇に追随する局面でも0.8%付近では需要が底堅かった印象。欧米市 場のリスク選好の動きが鈍る場面では0.7%台前半に低下することも考 えられる」とも語った。

東京先物市場で中心限月の3月物は3営業日続伸。前日比07銭高 の144円08銭で取引を開始し、底堅く推移した。午後に入ってからは、 5年債利回りが過去最低を付けた後に一段高となり、一時144円29銭ま で上昇し、1日以来の高値を付けた。結局は14銭高の144円15銭で引け た。

日銀の白川方明総裁は5日、4月8日の任期満了を待たずに、両副 総裁の任期が到来する3月19日に辞職することを安倍晋三首相に伝え た。6日の外国為替市場では、日本の金融緩和強化観測を背景に、円売 りが一段と進み、ドル・円相場は一時1ドル=94円台と10年5月以来の 安値を更新した。この日は朝方に付けた93円67銭から93円30銭まで円 高・ドル安に振れた後、93円71銭前後まで円が売られるといったもみ合 う展開だった。

BNPパリバ証の藤木氏は、白川総裁の辞意表明について、「緩和 の時期がやや早まる程度の材料だとみるが、市場は付利引き下げ・撤廃 や資産買い入れ等基金で購入する国債の年限長期化を期待している」と 解説した。一方、岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、 「2%の物価目標はハードルが相当高いため、日銀の踏み込んだ金融緩 和が予想されている。新執行部の下で行われる4月の日銀会合までこう した期待は衰えないだろう」と語った。

超長期債も総じて堅調だった。新発20年物141回債利回りは一 時1.5bp低い1.775%、新発30年物37回債利回りは1.5bp低い1.985%まで 低下した。午後3時29分すぎでは、20年物利回りが1.79%、30年物利回 りが2.0%で推移している。

6日の米国債市場では、米10年国債利回りが前日比4bp低下 の1.96%程度で引けた。一方、米株相場は小じっかりで、S&P500種 株価指数の終値は0.1%上昇の1512.12。

--取材協力:赤間 信行、船曳三郎、Masaki Kondo. Editor: 崎浜秀磨