マツダ、富士重:円高是正が追い風、今期利益予想を押し上げ

日本の自動車メーカーに円高是正の 「追い風」が吹いている。マツダと富士重工業は6日、今期(2013年3 月期)利益予想の上方修正を発表した。営業利益の増額分のほとんどが 為替効果となっている。

マツダは、今期の営業利益予想を従来比200億円増の450億円(前 期387億円の赤字)とした。増益要因のうち為替分が184億円と大半を占 める。また、富士重は従来比250億円増の1070億円(前期比2.4倍)の上 方修正で、為替要因が233億円だった。

デフレ脱却に向け「大胆な金融緩和」を打ち出した安倍晋三政権の 発足をにらんで、外為市場では昨秋から円安が進行。昨年9月下旬の1 ドル=78円台近辺から、今年1月半ばには90円台に突入した。2月も円 安の動きは止まらず、6日には一時94円台をつけた。

みずほ投信投資顧問の青木隆シニアファンドマネジャーは、現在の 為替水準を考えると、今期1-3月の利益率は非常に高くなるという見 方を示した上で、今後も国内で販売が伸びない場合に、海外輸出に振り 向けることもできるようになるなど、事業環境が格段によくなると指摘 した。

今期の為替前提を、マツダは1ドル=81円(従来80円)、富士重が 同82円(従来79円)に見直した。マツダの山内孝社長兼会長は決算会見 で、輸出企業が日本経済の活動を維持するための適正水準は同100円と の認識を示した。

また、5日の決算発表で今期業績予想を上方修正したトヨタ自動車 でも、円高是正が大きく寄与している。今期の営業利益予想を従来 比1000億円増額の1兆1500億円に上方修正。営業利益段階の従来予想比 で、為替影響が1400億円のプラス要因となる。

一方、ホンダは1月31日の決算発表で、急激な円安反転による為替 予約の時価評価損などを織り込み、今期の純利益予想を従来比で50億円 引き下げて3700億円とした。売上高や営業利益の予想は据え置いた。日 産自動車は8日に決算発表の予定。

マツダ株は7日午前の取引で一時、前日比18%高の334円まで上昇 し、08年10月以来の株価水準となった。富士重株も一時、同3.3%高 の1416円を付けた。