欧州危機は再燃必至-政治家の安心し過ぎにエコノミスト警鐘

欧州中央銀行(ECB)が発表した 国債購入計画を受けて財政難国の借り入れコストも下がり、すっかり安 心している域内の政治指導者らだが、実は次なる緊急事態への道を歩ん でいるところかもしれない。

ドラギECB総裁の「ユーロを守る」決意で国債利回りが低下した この機会を政治家が無駄にしている結果、ユーロ圏の経済と金融システ ムは脆弱(ぜいじゃく)なままだと、エコノミストのチャールズ・ウィ プロス、ポール・デグラウウェ両氏が指摘した。

国際通貨銀行研究センター(ICMB、ジュネーブ)のディレクタ ー、ウィプロス氏は電話インタビューで、「各国政府がこれほど自己満 足してしまっている今、次の激しい危機が回避されるとは思えない」と 述べ、「このところ続いていた楽観は根拠がなかった。危機の根本的要 素への対処はされていない」と指摘した。

政治の混迷で債務危機解決への取り組みがさらに遅れるとの懸念か ら、首相が退陣要求に直面しているスペインと3週間後に総選挙を控え 不透明が増すイタリアの10年債利回りはいずれも、年初来の最高を付け た。

ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのデグラウウェ教授は 「危機は決して終わってはいなかった。この反転が続くなら事態は新段 階に入り、ECBは行動しなければ信頼を失うことになるだろう」と述 べた。

原題:Europe Yield Backup Signaling Complacency Bringing a New Crisis(抜粋)