NY外為:ユーロ下落、対ドルで1週間ぶり安値付近

ニューヨーク外国為替市場ではユー ロが対ドルで1週間ぶり安値付近に下落。欧州では政局や金融機関の混 乱でソブリン債危機が再燃するリスクが高まる中、7日に欧州中央銀行 (ECB)の政策決定会合が予定されている。

ユーロは主要16通貨の大半に対して値下がり。スペインではラホイ 首相が野党からの辞任要求に抵抗し、イタリアでは銀行のモンテ・デ イ・パスキ・ディ・シエナがデリバティブ(金融派生商品)を利用して 隠した損失をめぐり刑事捜査を受ける可能性がある。このほかギリシャ の財務相がユーロ高に懸念を示したことも材料視され、ユーロは売られ た。円は対ドルで一時、32カ月ぶり安値に下落。日本銀行の新総裁に金 融緩和に積極的な人材が起用されるとの観測が背景にある。

野村ホールディングスの外国為替ストラテジスト、チャールズ・サ ンタルノー氏(ニューヨーク在勤)は電話取材で、「ユーロはイタリ ア・スペイン発の政治問題に反応している」と指摘。「今年に入り、ユ ーロ圏の緊張度合いは大きく低下してきている。ある時点で投資家が状 況の改善を認識するのは正常なことだが、まだそれほど良いわけでもな い」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロはドルに対し前日比0.4% 安の1ユーロ=1.3523ドル。前日は1.3459ドルと、1月29日以来の安値 に下落した。対円ではこの日0.4%下げて126円63銭。一時は127円71銭 と、2010年4月以来の高値を付ける場面もあった。円は対ドルでほぼ変 わらずの1ドル=93円64銭。アジアの時間帯には一時94円06銭と、10年 5月以来の円安・ドル高となった。

1ユーロ=1.3180ドルに下落も

クレディ・スイスのテクニカルアナリスト、シリン・ベイン氏(ロ ンドン在勤)は顧客リポートで、ユーロが節目となる上値抵抗圏 の1.3711-1.3727ドルを抜けられなかった場合、1月10日以来の安値と なる1.3180ドルまで下落する可能性があると指摘した。

ギリシャのストゥルナラス財務相はブルームバーグテレビジョンの インタビューで、ユーロの現行水準は信頼の回復を示すものの、ユーロ 高を懸念していることを明らかにした。

ソシエテ・ジェネラルのシニア為替ストラテジスト、セバスチャ ン・ゲーリー氏(ニューヨーク在勤)は「ECBの会合で何かが起きる リスクは非常に大きい。会合前にユーロ売りが出るのはそのためだ」と 指摘した。

ラホイ首相、モンテ・パスキ

スペインのラホイ首相と与党が不正資金を受け取ったとする一部報 道を受け、野党は首相に辞任を求めている。同首相は財政赤字の削減や 借り入れコストの低下を目指し、民主化後で最も厳しい財政緊縮策を実 施した。

イタリアのモンテ・パスキが損失隠しにデリバティブ(金融派生商 品)を利用したとのブルームバーグ報道を受け、同行は決算を修正せざ るを得なくなる可能性があると先月17日に表明した。会計処理の不備に 関しても、前経営陣に対する刑事捜査が始まった。

イタリア10年債利回りは今週に入り25ベーシスポイント(bp、1 bp=0.01%)上昇し4.58%。今月下旬に総選挙を控えた同国の世論調 査で、ベルルスコーニ前首相の支持率が高まっていることが手掛かり。

安倍晋三首相は日銀の新総裁案について、今月下旬の訪米後の提示 を視野に人選すると、NHKは報じた。情報源は明示していない。

原題:Euro Falls Toward 1-Week Low Amid Political Turmoil Before ECB(抜粋)

--取材協力:Lucy Meakin.