マイケル・デル氏の前に難題山積-非公開化は「もろ刃の剣」

マイケル・デル氏は自社の非公開化 を成し遂げ、今後はより大きな課題に直面する。パソコン(PC)で後 れを取った同社の事業を、利益率の高いクラウドコンピューター分野に 転換させることだ。

デル氏(47)は人員削減や戦略転換に乗り出す上で、より大きな自 由を手に入れる。一般株主に遠慮する必要はない。だが、今回の非公開 化を通じて企業としてのデルの借金は170億ドル(約1兆6000億円)に まで膨らんだ。IBMやヒューレット・パッカード(HP)、オラクル など競合に挑むため買収や研究開発などに充てるべき現金が、利払い費 に消えてしまう。そうなれば、利益率で劣るPC事業にとどまらざるを 得ないかもしれない。

ISIグループのアナリスト、ビル・ワイマン氏は「もろ刃の剣 (つるぎ)だ。デルはIBMやHP、オラクルに立ち向かえるだけの財 務状況にない。こうしたライバル企業は事業構成を変えるために数十億 ドルを投じてきた」と指摘した。

デル氏は大学の寮の部屋で始めた自身の会社の過半数株式を取り戻 し、会長兼最高経営責任者(CEO)の座にとどまる。株式公開から四 半世紀、デルは厳しい事業環境に置かれている。09年以降、同社は127 億ドルを投じて18社を傘下に収めたが、買収を通じて取得した利益率の 高い製品と自社サーバー製品との組み合わせは十分とはいえない。ソフ トウエアでは、クラウドコンピューター分野で、より大きな実績を示す ことが必要だ。

公開された資本市場へのアクセスを失うことで、有望技術を持つ新 興企業の買収は困難になる。ブルームバーグのデータによれば、デルは 債務の手当てに年間12億ドルの資金が必要となる。金利が上昇すれば、 債務負担はさらに膨らみかねない。

信用格付けの引き下げも資金調達コストを押し上げる。格付け会社 ムーディーズ・インベスターズ・サービスは5日、デルの無担保優先債 務を「A2」から「Baa1」に引き下げた。フィッチ・レーティング スはデルの長期発行体デフォルト格付けを「A」から「BB+」に引き 下げ、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)はデルの「A-」格 付けをクレジットウォッチ・ネガティブとした。

--取材協力:Sarah Frier.

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