S&P社員の笑えないジョーク-牛の仕組みでも何でも格付け

米格付け会社スタンダード・アン ド・プアーズ(S&P)の社員の間では、「牛を裏付けとする仕組み商 品」でさえ格付けをいとわない会社の姿勢がジョークの対象になってい た。世界的な金融危機の深刻化に先立つ2007年のことだ。米司法省は4 日、同社と親会社の米マグロウヒルが住宅ローン担保証券(RMBS) や債務担保証券(CDO)の信用リスクを承知しながら、格付けに反映 させなかったとして提訴した。

ロサンゼルスの連邦地裁に4日提出された訴状によれば、S&Pの アナリスト2人が2007年4月に同社のCDOモデルについて話し合った 際、その1人が「むちゃくちゃな」金融商品にS&Pが「格付けすべき ではない」というメッセージを送った。

検察当局によれば、もう1人のアナリストはこれに対し、「われわ れはあらゆる取引を格付けする。牛を裏付けとする仕組み商品でも格付 けしようとするだろう」と返答したという。これらのメッセージを含む 社内でのやりとりが訴状で言及された。

S&Pが市場シェアと収入増を欲した結果、市場リスクを無視する 格付けを行い、投資家を欺いたと米当局は主張。04年9月から07年10月 までの間に2兆8000億ドル(約263兆円)を上回るRMBSと、約1 兆2000億ドル相当のCDOが同社によって格付けされたとしている。

米証券取引委員会(SEC)は08年に格付け会社を対象に調査を実 施。ムーディーズ・インベスターズ・サービスとS&P、フィッチ・レ ーティングスに関する報告書にも「牛の仕組み商品」をめぐるやりとり が記載されており、あるアナリストが「われわれが裕福であり、この砂 上の楼閣が揺らぐまでに引退していることを期待しよう」と述べた電子 メールが引用されている。

原題:S&P Analyst Sang ‘Bringing Down the House’ Before Credit Crisis(抜粋)