米HP、非公開化発表のデルは「前途多難」-顧客奪う意向表明

米パソコン(PC)メーカー、ヒュ ーレット・パッカード(HP)について、これだけは言える。たとえ苦 境に陥っていても、大胆不敵さは失っていないということだ。

同業のデルは5日、レバレッジド・バイアウト(LBO、買収先の 資産などを担保にした借り入れによる買収)による株式の非公開化を発 表。それから約1時間後、HPはデルが「非常に前途多難」な状況にあ るとして、同社から顧客を奪う意向を表明した。

HPは声明で、「LBOは既存の顧客やイノベーションを置き去り にする傾向にある」と指摘。「デルの顧客は今、代わりの選択肢を模索 したいはずであり、HPはそのチャンスを十分に活用する方針だ」と表 明した。

今回のHPの反応はある意味で意趣返しだと受け止められるかもし れない。ブルームバーグ・ドットコムが「テク・ブログ」で報じた。 HPが2011年8月にPC事業のスピンアウトを模索する方針を明らかに すると、株価が急落。デルの創業者で最高経営責任者(CEO)のマイ ケル・デル氏は当時、ツイッターで勝ち誇ったように、「さようなら HP、PC事業を続けたくないのは残念だが、われわれの方はかつてな いほど続けたい気持ちが強まっている」とつぶやいた

しかし、デルは株式上場してから25年たった今、非公開化を決め た。利益率の低いデスクトップ・ノート型PCから軸足を移す取り組み を加速させるのが狙いの一つだ。デル氏がCEOに復帰した07年1月以 降、同社の株価は50%以上値下がり。かつてPC業界首位だったデル は、今ではHPとレノボ・グループ(聯想集団)に続く3位に転落して いる。

一方、HPが陥っている状況は、少なくともデルと同じぐらい厳し い。10年8月にマーク・ハード氏がCEOを辞任してから同社株は 約65%下落。同社はCEOの相次ぐ交代のほか、戦略の変更や製品開発 の縮小、買収の失敗などに苦しんでいる。

デルの非公開化の発表を受け、HP株は5日のニューヨーク市場 で2.7%高の16.61ドルで終了した。

原題:Hewlett-Packard Uses Dell’s Travails in Bid for PC Customers (1)(抜粋)