UBSがバンカーにメッセージ-リスク抑制か賞与価値の消滅か

スイス最大の銀行UBSは5日、ト ップ行員のボーナスの一部を価値が消滅する可能性のある債券で支払う 計画を発表した。このプランはトレーダーやバンカーにこれまでなじみ のないインセンティブを提供する。それはリスクの抑制だ。

UBSは今後、一部の行員に対し、普通株自己資本比率が7%を下 回ったり、同行が救済を必要としたりする場合に価値がゼロになる偶発 資本証券で賞与を支払う。

今回の制度変更は、債券ベースの報酬支払い求める監督当局の要求 を満たし、UBSが一段と厳しい資本基準を達成するために役に立つ一 方、業績がトップクラスのバンカーの流出を招く危険がある。UBSは 一部の業務から撤退し、最近のトレーディング損失とリターンの低迷の 克服に努めているが、今回のプランは、経営の安全との両立を目指して 他行が進める報酬制度づくりを越える動きとなりそうだ。

米銀バンク・オブ・アメリカ(BOA)の元経営幹部で、バンカー の報酬の一部を債券で支払うことを昨年提唱したサリー・クロウチェッ ク氏は「自分の世界から飛び出し、こうした金融機関をマクロの視点か ら考えるのは難しい」と指摘。「トレーダーや投資銀行のバンカー、フ ァイナンシャルアドバイザーがUBSのレバレッジ比率を気にすること はないだろうが、今回の出来事から発信される銀行のリスク許容範囲に 関するメッセージは考慮せざるを得ないだろう」と話す。

UBSは約5億スイス・フラン(約517億円)分の賞与を偶発資本 証券として付与し、5年後に支払う。偶発資本証券がボーナス全体に占 める割合は、執行役員が40%、報酬総額が25万ドル(約2345万円)を上 回る行員が30%となる。

原題:UBS Bond-Bonus Plan Gives Bankers Incentives to Take Less Risk(抜粋)

--取材協力:Christine Harper.