国民の2割は115円で日々しのぐ-高級ブランド出店のモンゴル

モンゴルの炭坑で働くサパールさん は毎日12時間、大草原地帯にある立坑から低品質の石炭を運搬してい る。

中国最大のコークス用炭の供給国となったモンゴルは2011年 に17.3%成長を達成。鉱山ブームに便乗してフランスのLVMHモエ・ ヘネシー・ルイ・ヴィトンなどの高級小売り各社はモンゴルの首都ウラ ンバートルにも出店、店頭では4500ドル(約42万円)のハンドバックも 売られている。23歳のサパールさんがこうした店舗に立ち寄ることはな い。

モンゴルへの投資で最大手の英・オーストラリア系のリオ・ティン トや米ピーボディ・エナジー、三井物産といった企業は資源輸出の拡大 を通じ、高成長の勢いを維持したしたい考えだ。だが人口300万人のこ の国の2割の人々は1日1.25ドルで暮らしている。

わずか10年での爆発的な経済成長は、仏製ハンドバックを買い求め る層と冷たい岩盤から手掘りで石炭を取り出す人々との格差を大幅に広 げた。社会不安の懸念が高まるとともに、利益配分の拡大を求めるモン ゴル政府は鉱山事業をめぐる交渉を仕切り直そうとしている。その矢面 に立たされているのがリオ・ティントだ。

プライベートエクイティ(PE、未公開株)投資会社のオリゴ・パ ートナーズMGLの共同出資者デール・チョイ氏(ウランバートル在 勤)は、モンゴル国民の大半が大型鉱山事業に不満を抱いていると指 摘。「国民が恩恵に直接あずかっていない。国全体としては利益を得て おり、税収も増えているが、国民には実感がない」と述べ、憤りの感情 が高まっているとの見方を示した。

すしバーやBMW

金・銅鉱山や炭坑ブームで「マインゴリア」と呼ばれるようになっ たモンゴルでは、すしバーが増え、ホテルには1泊3500ドルのスイート ルームも登場。ドイツの高級車メーカー、BMWのディーラーもお目見 えした。国民は職を求めてウランバートルに向かう。全人口のほぼ半分 が首都に集中しているが、住民の約半数は水道もないゲルと呼ばれる伝 統的な移動式住居に住んでいる。

エルベグドルジ大統領はリオ・ティントがモンゴル南部のオユ・ト ルゴイ鉱山で手掛ける産金・産銅プロジェクトへの政府の関与を高める べきだと明言。政府がウェブサイトに4日掲載した声明によれば、1日 の議会で大統領は「政府がオユ・トルゴイ鉱山事業の問題を自らの手で 扱うことが重要だ」と述べた。

原題:Mongolia $1.25-a-Day Labor Amid $4,500 Handbags Spurs Discontent(抜粋)

--取材協力:Elisabeth Behrmann、Michael Kohn.

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