銀行が今最も稼げる国はインドネシア-リターンは米銀の倍

ジャカルタ市内に勤務するスルヤデ ィさんは通勤用にとヤマハ発動機の二輪車「ミオ」を2011年に購入し た。即金なら1180万ルピア(約11万円)で買えたが、ダナモン銀行の金 利16%のローンを利用した。

3人の子供の父親であるスルヤディさん(44)は毎月、給料の約5 分の1をこのローンの返済に充てている。ローン完済時には二輪車の値 段より46%多くダナモン銀行に支払うことになる。「現金もないし、で きるのは分割払いだけ」だと言う。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、スルヤディさんのよう な借り手が世界の主要経済20カ国・地域の銀行で最高の収益性をインド ネシアにもたらしている。インドネシアでは時価総額50億ドル(約4600 億円)を超える大手銀行5行の株主資本利益率(ROE)は23%だ。同 じ規模の銀行で比べると、中国は21%、カナダは20%。米国は9%にす ぎず、その倍以上だ。

東南アジア最大の経済を誇るインドネシアでは、銀行のリターンは 正味の利ざや、つまり貸出金利と預金金利の差がけん引している。ブル ームバーグの最新データによると、国内大手行のこの利ざやは平均で7 ポイントと20カ国・地域で最大だ。

ボストンコンサルティンググループ(BCG)のジャカルタ在勤パ ートナー兼マネジングディレクター、ケン・ティムシット氏は「基本的 な需要と供給の問題だ。融資に対する需要が大きい一方で、供給は少な い」と話す。

ROEが最高の34%となっているラヤット銀行や時価総額で国内最 高の銀行、セントラル・アジア銀行などのインドネシアの銀行の収益性 は、ドイツ銀行やバーレイズ、UBSなど欧米の銀行とは対照的だ。欧 米各行は自己資本規制強化に対応するためリスク加重資産を減らし目標 を引き下げている。

コンサルティング会社のマッキンゼーが昨年10月にまとめたリポー トによれば、世界の銀行のROEは11年に7.6%に低下。その前年 は8.4%だった。11年の米銀平均は7%。欧州はゼロで、スペインやギ リシャなど高債務国を除いた場合は5%だったという。

原題:World’s Most Profitable Banks in Indonesia Double U.S. Returns(抜粋)

--取材協力:Novrida Manurung、Widya Utami.

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