日本株6日ぶり反落、輸出や不動産売り-欧州懸念と円安一服

東京株式相場は6営業日ぶりに反 落。スペインなど欧州の政治不安や為替の円安一服が嫌気され、自動車 など輸出関連、非鉄金属など素材関連、保険など金融株中心に幅広く売 られた。丸の内での空室率悪化が嫌気された三菱地所が急落した影響 で、不動産株は東証1部33業種の下落率トップ。

TOPIXの終値は前日比16.05ポイント(1.7%)安の939.70、日 経平均株価は213円43銭(1.9%)安の1万1046円92銭で、ともにきょう の安値引け。

大和住銀投信投資顧問・株式運用部の岩間星二ファンドマネジャー は、「不透明感は株式市場が一番嫌うファクター。常に漂っているもの だが、この2カ月間は珍しくなかったため、リスクオン(選好)の勢い が強かった」と言う。しかし、欧州で政治リスクが高まりを見せ、「短 期的にリスク許容度は下がる」と指摘した。

4日の欧州債市場では、スペイン10年債利回りが7週間ぶりの高水 準(価格は下落)となり、イタリア国債も下落した。スペインでは、ラ ホイ首相が不正資金を受領したとの疑惑が浮上したほか、コメルツ銀行 のストラテジストがスペイン債の保有削減を投資家に提案したことなど を材料視。月内に選挙があるイタリアでは、世論調査でベルルスコーニ 前首相の支持率が最有力のベルサニ民主党党首との差を縮めた。

きのうのストックス欧州600指数は前週末比1.5%安と約3カ月ぶり の大幅安、米S&P500種株価指数も昨年11月以来で最大の下げとなっ た。ユーロが売られた海外為替市場の流れから、日本時間5日の円相場 は対ユーロで124円台、対ドルでおおむね92円台前半と、きのうの東京 株式市場の終値時点126円28銭、92円67銭から円が強含みで推移した。

連騰疲れ、先高期待は根強い

欧州の政情不安について、SMBCフレンド証券の中西文行シニア ストラテジストは、「欧州各国では財政再建を進めているが、現政権の 基盤が揺らげば、債務削減計画に対する不安が高まる」との認識を示 唆。こうした中で、日本株も「連騰疲れ状態にある」と話していた。

きのうの東証1部の騰落レシオは147%。昨年12月中旬以降はほ ぼ140%以上で、過熱を示す120%以上の状態が長期化している。この日 は取引終了後にトヨタ自動車が決算発表を予定していたため、他業種へ の波及も大きい同社の決算内容を見極めたいとの姿勢も強かった。

東証1部業種別33指数は31業種が下げ、不動産、保険、倉庫・運 輸、金属製品、非鉄、鉄鋼、鉱業、パルプ・紙、繊維製品、ゴム製品な どが下落率上位。空運、ガラス・土石製品の2業種のみ高い。

TOPIXの下落寄与度で3位、値下がり率1位と、特に下げが目 立ったのが不動産株。きのう午後に決算を発表した菱地所が6%超下げ たのをはじめ、指数を構成する44銘柄中、42銘柄が下落した。野村証券 では、丸の内に限っても菱地所の空室率・賃料はともに悪化中で、改善 の兆しを定量的に捉えていないと分析していた。

もっとも、日本株の調整が長引くと見る向きは少ないようだ。欧州 懸念で売り圧力が強まったきょうの動きについても、「株価が一服した いところでタイミング良いニュースが出た」と、カブドットコム証券の 山田勉マーケットアナリスト。足元の連騰や過熱感は大相場の序章を示 しているとし、日本株高の基調は変わらないだろうとしていた。

東証1部の売買高は概算で48億304万株、売買代金は同2兆5469億 円。売買高が2日連続で40億株を超すのは、東日本大震災直後の2011年 3月17日以来だ。値上がり銘柄数は300、値下がりは1326。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE