債券は反発、国内株安や10年入札順調で-2年債利回り9年ぶり低水準

債券相場は反発。株式相場の下落に 加えて、10年債入札の結果がおおむね順調だったことが買い手掛かりと なった。新発2年債利回りは約9年ぶり低水準を付けた。

東京先物市場で中心限月の3月物は前日比18銭高の143円86銭で取 引を開始すると、午前9時前後に143円93銭まで上昇。その後は上げ幅 を縮小し、143円83銭で午前の取引を終えた。午後の開始後には143円94 銭まで上昇し、結局は22銭高の143円90銭で取引を終えた。

岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「10年債入札では 利回り0.8%台での投資家ニーズを見込んだ証券会社の応札が膨らむな ど、潜在需要を反映した結果が示された」と指摘。その上で、1月以 降、海外市場ではリスク選好の動きが続いたが、イタリアやスペインな ど欧州情勢に不透明感が広がり、米長期金利の2.0%台に「行き過ぎ感 もある」と指摘。「欧米市場の楽観論が弱まることで、国内株高や円安 にも一定の歯止めがかかることも考えられる」と話した。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の327回債利回 りは同1ベーシスポイント(bp)低下の0.79%で開始後は低下幅を縮め、 いったん横ばいの0.80%を付けた。午後に入ると再び0.79%に下げた が、2時半すぎ以降は0.795%で推移している。

2年物の325回債利回りは0.055%と、新発2年債利回りとして は2004年3月2日以来の以来の水準へ低下した。追加緩和観測が根強い 中、日銀が5日実施した資産買い入れ基金による国庫短期証券(TB) の買い入れで、落札利回りが低下したことなどを受けた。

東短リサーチの寺田寿明研究員は、「新発2年債は入札で投資家の 直接落札が多く証券会社が十分確保できなかったショート銘柄。ショー トカバー(買い戻し)の需要が強いため、既発債より利回りが低くなっ ている。早くしないと日銀に売却されて買い戻せなくなるリスクがあ る」と話した。

10年債入札、テール横ばい

財務省が午後発表した表面利率0.8%の10年利付国債(327回債)の 入札結果によると、最低落札価格は100円02銭と市場予想を1銭上回っ た。小さければ好調とされるテール(最低と平均落札価格の差)は2銭 と、前回と同じ。投資家の需要の強さを示す応札倍率は2.75倍と、前回 の3.52倍から低下した。

シティグループ証券の清水麻希シニアJGBストラテジストは、10 年債入札について、「入札結果は無難な範囲内に収まった。1000億円の 増発は不安材料とはなっていない」と分析。債券相場については、リス クオン(選好)の修正の動きが出て堅調推移だと指摘した。

東京株式相場は6日ぶりに反落。日経平均株価は前日比213円43銭 (1.9%)安の1万1046円92銭と、きょうの安値引けとなった。

--取材協力:赤間信行、池田祐美、船曳三郎. Editors: 山中英典, 青 木 勝