トヨタ:部品メーカーへの値下げ緩和の見方も-「超円高」緩和

【記者:堀江政嗣、馬傑】

2月6日(ブルームバーグ):トヨタ自動車の国内主要サプライヤ ーに対する部品納入価格の値下げ要請のうち、円高などで2011年から続 いていた追加的な部分については、最近の円安傾向を受けて解除される のではないかとの見方が相次いでいる。

トヨタグループのシートメーカー、トヨタ紡織の野田憲一取締役は 1月23日に愛知県豊田市内で開いた記者懇親会で、13年度上期(4-9 月)のトヨタとの価格交渉に関して、円安進行などを理由に、これまで のような値引き要請は「ないものと考えている」と話した。

エアバッグなどを製造する豊田合成の荒島正社長は1月29日のイン タビューで、トヨタからの大幅な値下げ要請について、一般論と前置き した上で「円が安くなれば、そういう心配をあまりしなくてもいいとい う感じはある」と話した。来年度上期の価格改定交渉はまだ行われてい ないという。

メリルリンチ日本証券の中西孝樹リサーチアナリストは、1月に都 内で開催した投資セミナーで配布した「日本・自動車セクター投資スト ラテジー」と題したリポートで、11年後半以降、通常の値下げ要請に上 乗せする形で続けられてきた特別値引きについて、今年4月以降の「終 了を前提に置いている」と指摘した。

トヨタは11年後半、1ドル=70円台に突入した「超円高」などへの 対策として、主要サプライヤーに従来基準を上回る大幅な値下げを要 求。中西氏によると、その後も半期ごとのサプライヤーとの価格改定 で、トヨタは通常の1-0.5%の値下げ要請に加え、1.5%の追加値下げ を12年度上期まで実施。下期も継続される見通しだが、13年度上期につ いては追加分が解除され、以前の値下げ要請水準に戻ると予測してい る。

大義名分失われた

クレディ・スイス証券の高橋一生、秋田昌洋両アナリストも1月23 日付のリポートで、最近は1ドル=90円超で取引されるなど、10年6月 ごろの水準まで円安が進行したことで、「トヨタが従来の水準を超える 値引き要求を続ける大義名分は失われた」と指摘し、追加値下げが解除 されるとの見通しを示している。

高橋氏は、メリルリンチ日本の中西氏の予測より半年早い12年度下 期の価格改定で、「過去1年にわたり続いた2-3%から、従来の1 -1.5%程度の水準まで緩和される」と予想し、「トヨタ系サプライヤ ーのマージンは、値引き低減幅に応じて押し上げられる可能性がある」 と指摘した。

トヨタ広報担当のディオン・コーベット氏は電話取材で、価格交渉 をめぐるアナリストらの見方について「彼らの考えであり、われわれが 発表したものではない」と話した。交渉の詳細についてはコメントでき ないとした。

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