フランス・バーガー戦争21世紀の陣,「ワッパー」が帰ってきた

電気機器セールスマンのビンセン ト・ボネール氏(28)は毎週、事務所のある仏エクサンプロバンスか ら24キロ余り車を飛ばしてマルセイユ空港に行く。飛行機に乗るためで はない。「ワッパー」を食べるためだ。

好物のバーガー、ダブルワッパーチーズベーコンが15年ぶりにフラ ンスに帰ってきた。ワッパーが看板商品のバーガーキング・ワールドワ イドが不在だったその15年間に、90億ユーロ(約1兆1400億円)規模の 仏ファーストフード市場の半分近くはライバルのマクドナルドが握って しまった。昨年12月に再上陸を果たしたバーガーキングは、数カ月内に ランスに仏2号店を開設する計画だ。

バーガーキングの初回の仏進出は計画性がなく、39店舗を閉鎖して ひっそりと撤退した。今回はイタリアのレストラン運営会社アウトグリ ルと組み、コストを分担することでリスクをヘッジした。ターゲットは 売上高でマクドナルドにとって世界3位の市場だ。

マクドナルドに加え、フランス人好みのメニューをそろえた欧州資 本のクイックに対抗するため、バーガーキングは熱狂的なファンを獲得 した直火焼きのバーガーを前面に押し出すのがいいと、調査会社ユーロ モニター・インターナショナルのアナリスト、マイケル・シェーファー 氏は言う。バーガーキングの「名前はフランスで知られていて、奇妙な カルト的崇拝者がいる」ので、「よく知られている商品で勝負するのが いい」と同氏は話した。

最大の武器は、フランス人たちがバーガーキングに抱くノスタルジ アかもしれない。そのおかげか、ランチタイムのマルセイユ空港店に は45分以上の待ち時間が生じることすらある。

前回の撤退以来、一部のフランス人にとってそれは「遠距離恋愛」 のようになったと、パリのソルボンヌ大学のゴーティエ・ボッシュ講師 は指摘する。「フランス人はロンドンやイビザ島に行けば、待ちきれな いようにバーガーキングへ飛んでいく」のだという。フェイスブックに は、バーガーキングをフランスに取り戻そうとラブコールを送る仏語の ページまでできていた。

とはいえ、ノスタルジアを売り上げに変え続けるのはそう簡単では ない。長い待ち時間があってもワッパーには「それだけの価値がある。 チャンスがあれば必ずバーガーキングに行く」と言ってくれるボネール 氏のような熱いファンがもっともっと必要だ。

原題:Burger King Invading France to Tap Le Whopper Mystique: Retail(抜粋)

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