東電:来期黒字化の計画は修正の可能性も-今期の純損失を下方修正

東京電力の広瀬直己社長は4日の決 算会見で、来期(2014年3月期)の黒字化を目指す同社の事業計画を見 直す可能性を示唆した。新たな安全基準により柏崎刈羽原発の再開が想 定以上に遅れる公算があるためだ。

都内で会見した広瀬直己社長は「いろいろなものを総合的に判断 し、計画を見直す必要があるということであれば見直さないといけな い」と述べた。

同社は再建に向けて昨年5月に策定した総合特別事業計画の中で、 来期に1067億円の純利益(単体)を計上する黒字化を目指している。そ のための前提条件として、定期検査や07年の中越沖地震の影響で停止し ている柏崎刈羽原発の7基の原子炉を、今年4月から15年9月にかけて 順次再開する必要がある。

しかし、先月末に原子力規制委員会が示した新たな安全基準の骨子 に、新たな設備の設置や活断層の定義を変更する方針が盛り込まれた。 この安全基準では、工事や追加調査に時間がかかるため、早期の原発再 開は困難になるとの見通しが強まっている。

事業計画では、原発再開と並びもうひとつの黒字化の柱として料金 の値上げを掲げている。原発の停止が続くなかで計画通り黒字化を実現 するには、追加値上げが必要になるが、この点について広瀬社長は「対 策はいくつか出てくる。その対策を組み合わせてとっていく」として明 言を避けた。

機構委員長も計画見直しに言及

この会見に先立って、広瀬社長と原子力損害賠償支援機構の川端和 治運営委員長らが経済産業省内で茂木敏充経産相と会い、追加賠償費用 として約7000億円を受け取る認証を受けた。川端氏はこの会談後、東電 の再建が計画通りに進まない可能性について記者団から問われ、「たぶ んそうなる。ならざるを得ないのではないかと思う」と話した。

東電は同日、通期(2013年3月期)の純損失予想を1200億円(従来 予想450億円の赤字)に下方修正した。燃料費の増加に加え、災害特別 損失と原子力損害賠償費の特別損失の計上を見込んだためアナリストの 予想平均値621億円をも上回る赤字を見通す結果となった。