円が2年8カ月ぶり安値付近から反発、93円目前で円買い

東京外国為替市場では、円が対ドル で約2年8カ月ぶり安値圏で推移した。米景気の回復期待などを背景に リスク選好の流れが継続した半面、急ピッチの円安に対する警戒もあ り、円は1ドル=93円手前で足踏み状態となった。

ドル・円相場は朝方に92円91銭を付け、前週末に記録した2010年5 月以来の円安値(92円97銭)に接近。その後円買いが優勢となり、午 前10時すぎには一時92円50銭を付けたが、円の上値も重く、午後は92円 後半で一進一退の展開となった。

楽天証券の相馬勉債券事業部長は、「米国サイドでも財政の崖の話 もとりあえず先送りとなっているし、ユーロもかなり危機から脱出した という感じになっており、完璧にリスクオン(選好)という形になって いる」と指摘。その上で、ドル・円の地合いは強く、「利食いぐらいし かドル売りは入ってこない」が、「みんな怖くはなってきていると思 う」と話した。

ユーロ・円相場は前週末に1ユーロ=126円97銭と10年4月以来の 水準までユーロ高・円安が進行。週明けの東京市場では朝方に126円後 半を試した後、一時126円06銭まで戻した。午後にかけては126円台前半 から半ばにかけての取引に終始した。

リスク選好

4日の東京株式相場は5日続伸。前週末発表された米国の雇用統計 で雇用の増加傾向が確認されたことや製造業景況指数の改善が好感され た。

前週末の米国市場ではダウ工業株30種平均が5年ぶりに1万4000ド ル台を回復。また、米10年債利回りは2週連続で上昇し、アジア時間4 日の取引では一時2.05%と昨年4月以来の高水準を付けた。

また、週末発表された中国の非製造業購買担当者指数(PMI) は56.2と、昨年12月の56.1から上昇し、昨年8月以来の高水準となっ た。

IG証券のマーケットアナリスト、石川順一氏は、円売りの根底に は、ユーロ圏に対する過度の悲観論の後退のほか、「米国の回復期待か らの株式市場のリスクオン」があると指摘。「リスクオンでドル売りと 円売りになる中で史上最悪の通貨を争っているという感じ」だが、金利 面では円の方が売られやすいと話した。

スピード調整

一方、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作シニア為 替・債券ストラテジストは、ドル・円相場は年初からわずか1カ月で6 円以上円安が進んでおり、「さすがにどこかでスピード調整は入る」と 指摘。もっとも、金融政策も米国では現状維持かどこかで出口かという 選択で「日銀とは真逆」だとし、内外の様々な要因で円安ムードが強ま っている状況下で、まだ円の安値を試す動きが続くとの見方を示した。

米商品先物取引委員会(CFTC)によると、シカゴマーカンタイ ル取引所(CME)国際通貨市場(IMM)では円の売り越しが7週間 ぶりに拡大し、7万1246枚となった。また、ユーロの買い越しは2 万7472枚に拡大し、約1年7カ月ぶりの高水準となった。

ユーロ・ドル相場は前週末に11年11月以来の水準となる1ユーロ =1.3711ドルまでユーロ買い・ドル売りが進行。週明けの取引では早朝 に1.3660ドルを付けた後、1.36ドル前半までユーロが値を切り下げる展 開となった。

--取材協力:Monami Yui、三浦和美. Editors: 崎浜秀磨, 山中英典

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