欧州市場の小康を脅かす恐れ-スペインとイタリア政局に暗雲

欧州政治の動揺が域内市場の落ち着 きを台無しにするリスクが浮上している。スペインのラホイ首相は汚職 疑惑に見舞われ、イタリアのベルルスコーニ前首相は総選挙を前に最有 力候補に迫っている。

ラホイ首相は不正資金を受領したとの報道を受けて野党から辞任要 求を突き付けられている。今週7-8日の欧州連合(EU)首脳会議に 先立ちユーロ圏首脳は相次ぎ会談を予定しており、ラホイ首相も4日に ドイツを訪問する。先週にはオランダ4位の銀行が国有化され、ドイツ 銀行は21億7000万ユーロ(約2750億円)の赤字決算を発表しており、域 内経済の脆弱(ぜいじゃく)さが浮き彫りになっている。

ショイブレ独財務相は2月1日の会合で、「1年前よりもはるかに いい状況にあるものの、ユーロ危機は終わっていない」との認識を示し た。

景気低迷や今月のイタリア総選挙の行方をめぐる不透明感、ラホイ 首相が抱える新たな問題によって、欧州中央銀行(ECB)の国債購入 方針に支えられた市場の小康状態は短命となる恐れがある。ただ今のと ころは、ユーロ圏の高債務国の借り入れコストは低下し投資家の信頼感 は持ち直しつつあることから、欧州の政策当局者はうまく対応する余地 がある。

イタリアの10年物国債利回りは先週、4週間ぶりの高水準に達し た。同国の消費者信頼感指数は少なくとも17年ぶりの低水準となった。 ユーロは2011年11月以来の高値に上昇、2月1日には1ユーロ=1.37ド ルを超えた後、1.364ドルで週の取引を終えた。

不正資金疑惑

マドリードでは、ラホイ首相や与党国民党メンバーが不正資金を受 領したとの同国紙パイスの報道を受け、野党・社会労働党のアルフレ ド・ペレス・ルバルカバ書記長が首相の辞任を求めた。首相は2日、こ の疑惑は事実無根であり、党に打撃を与えようとする人々が主張してい ると指摘した。

首相はマドリードで記者団に対し、疑惑は「誤りだ。私は不正資金 を受け取ったことはないし、党内や他者との間で分配したこともない」 と説明した。パイス紙は首相を含めた党幹部への支払いを詳述した元帳 の手書きの抜粋を転載したとしている。

イタリアでは、2月1日の世論調査でメディア界の大物であるベル ルスコーニ前首相が選挙戦で次期首相の最有力候補と見なされている民 主党のベルサニ党首との差を5ポイントに縮めた。

債券利回り急騰を受けて11年に辞任を余儀なくされたベルルスコー ニ前首相の躍進を受け、ベルサニ氏は世論調査でリードしていても過半 数議席の確保が危うくなりかねない。ベルルスコーニ氏はモンティ首相 による改革を覆すと公約し、ドイツが欧州に有害な緊縮策を監督したと 批判している。イタリア総選挙は今月24-25日に実施される。

原題:Europe’s Tremors Threaten Market Respite on Spain-Italy Troubles(抜粋)

--取材協力:Sharon Smyth、Andrew Frye、Corina Ruhe、Maud van Gaal、Nicholas Comfort、Fabio Benedetti-Valentini.