債券は下落、長期金利3週ぶり0.8%乗せ-米債安や10年入札控え売り

債券相場は下落。米雇用情勢改善を 受けた前週末の米国債相場の下落や円安・株高、あすの10年債入札に向 けた売りが優勢となり、長期金利は3週間ぶりに0.8%台に乗せた。

東京先物市場で中心限月の3月物は前日比21銭安の143円85銭で始 まり、直後に143円71銭まで下落した。その後は安値圏でもみ合った が、午後に入ると株高を背景に下げ幅を拡大。2時45分ごろに38銭安 の143円68銭と、1月11日以来の安値を付け、結局は同水準で安値引け した。1日の下落幅は昨年8月16日以来の大きさとなった。

JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長 は、円安・株高が進む中で「年金基金の動きや銀行の益出し売りなど、 もろもろの要因で下値不安が強まっている。米10年金利が2%台に乗せ ていることも懸念材料だ」と指摘。「10年債入札は金利が上昇したら買 いたい投資家は多いものの、以前より目線が切り上がっており、現時点 では0.80%より0.85%の方が近いイメージだ」と述べた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の327回債利回 りは同3ベーシスポイント(bp)高い0.795%で開始。同水準での推移が 続いたが、1時半すぎに0.80%と1月15日以来の0.8%台乗せとなり、 3時すぎには4bp高い0.805%を付けた。5年物の107回債利回りは、1 時半すぎに1bp高い0.16%と1月29日以来の水準まで上げた。

超長期債も軟調。20年物の141回債利回りは1.5bp高い1.795%と1 月11日以来の高水準で開始。1.79%に上げ幅を縮める場面もあったが、 午後は再び1.795%で推移した。30年物の37回債利回りは2bp高 い2.00%に上昇した。

10年債入札

財務省はあす、10年利付国債(2月債)の入札を実施する。前回入 札の10年物327回債利回りは0.805%で取引されており、表面利率(クー ポン)は前回債と同じ0.8%となる見込み。発行額は前回債から1000億 円増加の2兆4000億円程度となる。

JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、米長期 金利の上昇や株高・円安もあり、国内金利は短期的には上昇のセンチメ ントが掛かっていると指摘。「足元では外国人の先物売りの観測があ り、入札に備えた証券会社の10年債売りも出ているようだ」とも話し た。一方、10年債入札については「金利上昇により、入札では買いやす さが強まりそう」だと指摘。「入札前後に0.8%台を付ければいったん 買いが入る」との見方も示した。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニア債券ストラ テジストは、10年債入札では今回からの1000億円増発に加え、円安・株 高と外部環境は逆風としながらも、利回り0.8%近辺では押し目買いに 支えられるとの見方を示した。

1日の米国債市場では10年債利回りが前日比3bp高い2.02%。一時 は2.04%と昨年4月13日以来の高水準を付けた。米株式相場は上昇。ダ ウ工業株30種平均は2007年以来初めて1万4000ドルを上回った。米雇用 統計や製造業景況指数を受け、米国経済への信頼感が高まった。円相場 は同日に一時1ドル=92円97銭と10年5月以来の安値を記録。きょう は92円台後半で推移した。日経平均株価は0.6%高の1万1260円35 銭。10年4月以来の高値を更新した。

--取材協力:赤間信行、船曳三郎 Editors: 山中英典, 崎浜秀磨

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