世界最大の資産規模を持つ日本の年 金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、昨年12月以降の円安進 行や株高基調を背景に、今年度の運用収益率が2年連続でプラスとなる 見通しを明らかにした。

三谷隆博理事長は1日、ブルームバーグとのインタビューで、2012 年度の運用状況について、「昨年12月以降、株価が上昇し、円安方向に 振れたのでかなりプラスが出ているのではないか。7-9月期までの年 度収益率はマイナスだったが、これを取り戻してプラスになっているこ とは間違いない」と語った上で、11年度の2.32%に続いてプラスになる との見通しを示した。

GPIFの今年度の収益率は、4-6月期にマイナス1.85%だった が、7-9月期は外国株式の上昇が寄与してプラス0.49%。4-9月累 計ではマイナス1.39%だった。

三谷氏は、9月末に比べて12月末に運用比率を引き上げた外貨建て 資産と国内株式は、円安による外貨建て資産の評価益が押し上げられた ほか、国内株高も寄与したと説明した。外貨建て資産の割合は、ドル建 てが5割弱、ユーロ建てが3割強、その他の通貨が約2割。

為替市場で円は対ドルで1ドル=92円台後半と約2年8カ月ぶりの 円安・ドル高水準を付けた。円は対ユーロでも1ユーロ=126円台後半 と10年4月以来の水準に下げた。一方、TOPIXは12週続伸し、ブル ームバーグ・データによると40年ぶりの連続上昇記録を更新した。

債券は「厳しい環境」

三谷氏は、運用資産の6割強を占める国内債券について、「過去10 年間は金利低下局面だったので、儲けがしらだった。しかし、これから 金利上昇局面になれば、厳しい環境になる」と指摘した。

その上で、長期金利の先行きについて、持続的なインフレが展望で きるかどうか次第とし、「読みづらいところだ」と述べた。「日銀はし ばらく金融緩和を強める方向なので、金利は抑制されるだろう。その後 は、物価上昇に沿った金利水準になるのではないか」とし、景気回復や 物価が上昇すれば、0.7%台の低水準は続かないとの見方を示した。

長期金利の指標となる10年債利回りは昨年12月6日に一時0.685% まで低下し、03年6月以来の低水準を付けた。その後は上昇に転 じ、0.84%を付けたが、日銀の金融緩和強化で再び低下。足元で は0.7%台で推移している。

GPIFの12年7-9月期末の運用資産額は107兆7231億円。収益 額は5287億円だった。

昨年9月末の資産構成は、財投債を含む国内債券は69兆3201億円 (年金積立金全体の構成割合63.35%)、国内株式は12兆3447億円 (同11.28%)、外国債券は9兆6399億円(同8.81%)、外国株式は12 兆6406億円(同11.55%)、短期資産は3兆7779億円(同5.00%)。

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