キリン:F&N株をTCCに売却へ-TOBに応じて1500億円で

キリンホールディングスは1日、 TCCアセッツの株式公開買い付け(TOB)に応じ、保有するシンガ ポールの不動産・飲料大手フレイザー・アンド・ニーブ(F&N)株式 を売却することを決めたと発表した。売却額は約20億シンガポール・ド ル(約1496億円)。

売却株式数は、発行済み株式総数の14.76%に当たる2億1277 万3000株で、価格は1株につき9.55シンガポールドル。税引前売却益は 約470億円で2013年12月期に計上する。14日までに売却を完了する予定 としている。

F&Nをめぐっては、TCCアセッツとシンガポールのオーバーシ ーズ・ユニオン・エンタープライズ(OUE)主導の企業連合との間 で、買収合戦が激化していた。キリンはOUE連合と連携していたが、 TCCがより高いTOB価格を提示したことでOUEが入札を断念。キ リンはTCCのTOBに応じることを決めた。

キリンは東南アジアで、タイに子会社があるほか、ベトナムの飲料 会社インターフード、フィリピンのビール会社サンミゲルビールに出資 している。F&Nへは10年に出資。同社を通じてキリンの清涼飲料を販 売する計画だったが実現しなかった。

ジャパンインベストの大和樹彦副調査部長は「ノーサプライズ。だ が、最初からTOB価格を引き上げて売り抜ける目的でOUEと組んだ のであれば素晴らしい戦略だ」と語った。また東南アジア戦略について は、「足がかりを失うため立て直すのは難しいだろう」と述べた。