米国債(1日):30年債が下落-雇用増が景気回復の勢い示唆

米国債市場では、利回りが9カ月ぶ り高水準を付けた。1月の雇用統計で雇用者数が増加し景気回復が勢い を増しつつある兆候が示されたことで、安全資産としての米国債の妙味 が低下した。

10年債利回りは週間ベースで2週連続上昇。雇用統計では昨 年11、12月の雇用者数の増加幅も上方修正された。30年債と同年限のイ ンフレ連動債(TIPS)の利回り格差(ブレークイーブンレート)は 一時、昨年9月以来で最大となった。

ユナイテッド・ネーションズ・フェデラル・クレジット・ユニオン (ニューヨーク)の最高投資責任者(CIO)、クリストファー・サリ バン氏は「リスク資産が上昇している環境で市場が低い債券利回りに疑 念を抱く中、利回りは上昇した」と分析。「経済指標は全般的に強弱ま ちまちだが、市場はネガティブな数字よりも適度な力強さを示す前向き なデータにより注目している」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の2.02%。一時2.04%と、4月13日以来の高水準を付 けた。

30年債利りは一時6bp上げて3.24%と、4月5日以来の高水準。

株式市場ではこの日、ダウ工業株30種平均が2007年以来初めて1 万4000ドルを上回った。

30年債と30年物TIPSの利回り格差は一時2.63ポイントに拡大 し、9月17日以来で最大となった。過去10年間の平均は2.48ポイント。

雇用統計

米労働省が1日に発表した1月の雇用統計によると、非農業部門雇 用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比15万7000人増。前月は19 万6000人増、11月は24万7000人増に修正された。1月の増加幅は、ブル ームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値(16万5000 人増)は下回った。

利回りは一時下げる場面があった。雇用統計では失業率は7.9%に 上昇。これで金融当局が米国債の購入を縮小し始めるとの見方が後退し た。市場では7.8%で横ばいが見込まれていた。

経済のエンジン

ナビゲート・アドバイザーズ(コネティカット州スタンフォード) のマネジングディレクター、トーマス・ディガロマ氏は「きょうの雇用 統計は経済のエンジンが回転速度を上げつつあることを示唆している。 ただ車はどこにも向かっていない」と指摘。「金利が上昇するとの弱気 なスタンスが見られる。きょうの統計は、金利は大幅に上昇する必要が あるとの感覚を和らげるような内容だ」と述べた。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は声明で、経済について「一時 的な要因」で足踏みしていると指摘。また世界の金融市場での緊張は和 らいできているものの、景気見通しには下振れリスクがあるとした。そ の上で、「適切な政策緩和」により、景気は上向き失業率は低下すると の認識を示した。

CRTキャピタル・グループの米国債ストラテジスト、デービッ ド・エーダー氏は「リセッション(景気後退)のリスクが後退したのは 確実だ。ただ実際のところ、何とか切り抜けているといった状況だ」と 述べた。

原題:Treasury Yields Reach Nine-Month Highs After Payrolls Increase(抜粋)

--取材協力:Susanne Walker.