バラや夢のイメージを守れ、海外でグルジア首相自ら広報活動

グルジアの首相に昨年就いたビジ ナ・イワニシビリ氏は、国内の政敵を法律を通じて締め付ける一方、海 外では投資誘致で自ら広報活動を展開している。

昨年10月の議会選挙では、富豪のイワニシビリ氏(56)率いる野党 連合「グルジアの夢」がサーカシビリ大統領の与党に逆転勝利を収め た。イワニシビリ氏が首相として率いる内閣発足後、前政権と結び付き のあった元官僚や政治家が議会選前の違法な盗聴や職権乱用に関与して いたとして相次いで逮捕された。今月30日には首都トビリシで財務省の 調査官が、カゼラシュビリ元国防相に対する汚職調査が始まったと発表 した。

大統領に就く前のサーカシビリ氏らが中心となった2003年の「バラ 革命」では、野党支持者らが抗議活動を展開し、政権交代につながっ た。これを支持した米国や欧州連合(EU)は、イワニシビリ内閣の動 きに警告を発している。

これに対しイワニシビリ氏はスイスのダボスで先週開催された世界 経済フォーラム(WEF)年次総会に参加、インドの自動車メーカー、 タタ・モーターズなどの企業幹部を招いて同席する場を設けた。新たに 任命された19人の外交官も世界各地に飛び、グルジアが投資に優しい国 だと訴えている。

イワニシビリ氏の議会選勝利は欧米にとっては旧ソ連圏での新たな 敗北だ。ロシアを経由せず石油やガスといったエネルギーをカスピ海か ら欧州に送ることのできる要衝に位置するグルジアは、平和的な政権交 代が蜃気楼にすぎなかったとの投資家の懸念を和らげたいと考えてい る。

心配事

中央アジア・コーカサス研究所/シルクロード研究プログラム(ス トックホルム)の調査ディレクターを務めるサバンテ・コーネル氏は電 話取材に対し、政権交代はほぼ平和的に行われているものの、「一段と 議論を呼ぶ状況だ。法の支配に絡んだ問題は、投資家にとっては常に心 配事だ。グルジア経済のリスクは政治の不安定だ。グルジアは自らのイ メージを今すぐ守る必要がある」と指摘した。

議会選を受け、グルジアの借り入れコストは低下した。ロシアで教 育を受けたエコノミストでエンジニアのイワニシビリ氏(56)は市況を 反転させないために投資家へのアプローチを続けている。グルジアのド ル建て国債(2021年償還)利回りは28日、4.0896%に低下。議会選の1 週間前は4.8164%だった。

憲法で規定された任期切れまであと1年しかないサーカシビリ大統 領は相次ぐ元官僚・政治家の逮捕を政治的後退だと批判。米国とEU、 北大西洋条約機構(NATO)は法による支配が後退している印象があ るとの懸念を表明。イワニシビリ内閣は逮捕が政治的動機に基づくこと を否定している。今月13日には、前政権によって投獄されていた政治犯 と議会が特定した190人を釈放した。

原題:Georgia Billionaire Premier on Charm Offensive to Lure Investors(抜粋)

--取材協力:Lyubov Pronina.

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