1月30日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドル対ユーロで下落、FOMCは資産購入継続-円も安い

ニューヨーク外国為替市場ではドルが対ユーロで2011年11月以来の 安値に下落。連邦公開市場委員会(FOMC)は景気浮揚のために毎 月850億ドル相当の資産購入を継続すると表明し、市場ではドルの価値 低下につながるとの懸念が強まった。

ドルは対ユーロで2日連続で下げた。今年最初のFOMCは声明 で、悪天候など一時的な要因で経済は足踏みしており、インフレは引き 続き目標水準を下回っているとの判断を示した。朝方の取引ではユーロ 圏の景況感改善が好感されてユーロが上昇し、円は軟調に推移してい た。

BNPパリバの通貨ストラテジスト、バシーリ・セレブリアコフ氏 (ニューヨーク在勤)は「現行の政策を続けていくサインだ」と指摘。 「最近のデータに労働市場の状況改善を示唆する材料はない。労働市場 の改善こそFOMCが求めているものだ」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対ユーロで0.6%下げて1 ユーロ=1.3567ドル。一時は2011年11月以来の安値となる1.3587ドルま で下げた。ドルは対円で0.4%上昇し1ドル=91円08銭。朝方に付け た2010年6月以来の高値、91円41銭からは伸び悩んだ。

FOMCは「労働市場の見通しが大幅に改善しない場合」、物価が 安定した状態で状況が改善するまで米財務省証券と住宅ローン担保証券 の購入を継続すると表明した。さらに、失業率が6.5%を上回り、向こ う1-2年のインフレ率予測値が2%を0.5ポイント超えて上回らない 限り異例な低金利を継続するとした。

「声明は予想通り」

RBSセキュリティーズの為替ストラテジスト、ブライアン・デン ジャーフィールド氏(コネティカット州スタンフォード在勤)は電話イ ンタビューで、FOMC声明について、「市場のほぼ予想通りであ り、12月会合の声明とよく似ている」と指摘。「資産購入をこれまでの ペースで継続し、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標の道筋や、 その他基準も変えなかった。市場は求めていたものを得たと言えよう」 と付け加えた。

FOMC声明は、「世界の金融市場での緊張はいくらか和らいだも のの、委員会は景気見通しに下振れリスクがある」と指摘。さらに、 「経済活動の伸びは天候に関連した混乱や他の一時的な要因が大きく影 響し、ここ数カ月停滞したことが示唆された」との判断を示した。

ユーロは朝方の取引で主要通貨の大半に対して上昇。欧州連合 (EU)の欧州委員会が30日発表した1月のユーロ圏景況感指数(速報 値)は89.2と、先月の87.8(改定値)を上回り、昨年6月以来の高水準 に達した。

「ユーロは一段高に」

ドイツ銀行のG10為替ストラテジー世界責任者、アラン・ラスキン 氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、ユーロ圏経済が 予想を上回っており、ユーロは対ドルで一段と上昇する可能性があると 述べた。

円は昨年10月以降で12%の値下がり。リスクテーク志向が高まる 中、12月に就任した安倍晋三首相が「大胆な金融政策」を日銀に迫った ことを背景に、逃避需要が後退した。

昨年10-12月(第4四半期)の米経済は予想外の失速となった。過 去40年間で最大の国防支出の減少が響いた。

米商務省が30日に発表した2012年第4四半期の実質国内総生産 (GDP、季節調整済み、年率)速報値は前期比0.1%減少した。マイ ナスは今回の景気拡大期が始まった2009年第3四半期以降で初めて。ブ ルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は1.1% 増だった。

原題:Dollar Weakens as Fed Says It Will Keep Buying Bonds; Yen Falls(抜粋)

◎米国株:反落、GDPの減少を嫌気-FOMCは債券購入を継続

30日の米国株式相場は反落。主要株価指数は5年ぶり高値から下落 した。朝方発表された昨年第4四半期(10-12月)の実質国内総生産 (GDP)は市場予想に反して減少。米連邦公開市場委員会 (FOMC)は債券購入プログラムの継続を表明した。

S&P500種株価指数の産業別10指数のうち9指数が下落。特にエ ネルギー株と工業株の下げがきつかった。住宅建設業者で構成される株 価指数も低下した。一方、オンライン販売のアマゾン・ドット・コムは 上昇。売上高が増加したほか、北米の営業利益率の伸びが株価を押し上 げた。

S&P500種株価指数は0.4%下げて1501.96。ダウ工業株30種平均 は44ドル(0.3%)安の13910.42ドル。

JPモルガン・ファンズのチーフ・グローバルストラテジスト、デ ービッド・ケリー氏は、「市場の基本トレンドは上向きだ。しかし一部 の経済統計で弱さが見られ、投資家がこの部分を完全に織り込んでいな いことは問題だ」と述べた。

FOMCはこの日、会合終了後に声明を発表し、毎月850億ドルの 債券を購入していく方針をあらためて示した。経済については悪天候な ど一時的な要因により足踏みしていると指摘した。

GDP統計

米商務省が発表した第4四半期のGDP速報値は前期比0.1%減少 した。マイナスは今回の景気拡大期が始まった2009年第3四半期以降で 初めて。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央 値は1.1%増だった。

給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが 発表した給与名簿に基づく集計調査によると、1月の米民間部門の雇用 者数は前月比で19万2000人増加した。ブルームバーグがまとめたエコノ ミストの予想中央値は16万5000人の増加だった。

2月1日には米労働省が1月の雇用統計を発表する。市場予想で は16万5000人の雇用増が見込まれている。失業率は7.8%で、昨 年11、12月と変わらない水準が予想されている。

S&P500種採用企業うち四半期決算を発表した195社の約75%で利 益が予想を上回った。ブルームバーグのデータによると、66%の企業は 予想を上回る売上高を計上した。

GEやRIM、アマゾン

複合企業のゼネラル・エレクトリック(GE)と石油大手エクソン モービルはいずれも下落した。この日のダウ輸送株平均は1.5%安だっ た。

スマートフォン(多機能携帯電話)メーカー、リサーチ・イン・モ ーション(RIM)は12%の大幅下落。同社は製品名である「ブラック ベリー」を社名とすると発表した。同社はまた新製品「ブラックベリ ー10」を発表。米アップルや韓国サムスン電子に奪われた顧客を取り戻 すのが狙いだ。

アマゾンは4.8%高。昨年10-12月(第4四半期)決算は、売上高 が213億ドルと22%の増加を記録した。また北米の営業利益率は5%と 前年同期の2.9%から拡大した。

航空機メーカー、ボーイングは1.3%高。同社が示した2013年通期 の利益見通しは、アナリスト予想と一致した。最新鋭旅客機「787」 (ドリームライナー)の運行停止が3週目に入ったボーイングは、バッ テリーに問題がないか当局の調査を受けている。同社の利益見通しは、 当局に命じられた787の運行停止が業績に著しい影響を及ぼさないと の想定に基づいている。

原題:U.S. Stocks Fall as Fed Maintains Program After Economy Shrinks(抜粋)

◎米国債:30年債利回り、約9カ月ぶり高水準-FOMCは緩和策維持

米国債市場では30年債利回りがほぼ9カ月ぶり高水準で推移。米連 邦公開市場委員会(FOMC)は景気浮揚に向け資産購入を継続する方 針を表明した。

FOMCは会合後に発表した声明で、悪天候など一時的な要因が大 きく影響し経済は足踏みしたとした上で、毎月850億ドルのペースでの 債券購入を継続する方針を示した。30年債利回りは、昨年10-12月(第 4四半期)の米実質国内総生産(GDP)の減少が発表される前に一 時、4月以来の高水準を付けた。

バンク・オブ・モントリオール傘下BMOキャピタル・マーケッツ の政府債トレーディング責任者、スコット・グレアム氏(シカゴ在勤) は「一部では緩和策の縮小を見込む向きもあったが、縮小が時期尚早で あることは明らかだ」と指摘した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、30年債利回りは前日比ほぼ変わらずの3.18%。一 時3.22%と、4月12日以来の高水準を付けた。同年債(表面利 率2.75%、2042年11月償還)価格は91 23/32。

10年債利回りは1bp下げて1.99%。一時2.03%と、4月25日以来 の高水準となった。

「一時的な要因」

FOMCは声明で、「経済活動の伸びは天候に関連した混乱や他の 一時的な要因が大きく影響し、ここ数カ月停滞した」と説明した。

FOMCはまた、政府支援機関の住宅ローン担保証券を毎月400億 ドル、米財務省証券を毎月450億ドルのペースで購入する方針を継続す る。また政府機関債と住宅ローン担保証券の償還元本を住宅ローン担保 証券に再投資し、償還を迎える米財務省証券を入札時にロールオーバー する現行方針を維持する。

さらに「労働市場の見通しが大幅に改善しない場合」は証券の購入 を継続するとあらためて表明した。

金融当局は2008年から11年に実施した量的緩和第1、2弾で、米国 債および住宅ローン担保証券を総額2兆3000億ドル相当購入した。

金融当局が政策決定の判断材料とする5年後から5年間(2018-23 年)のインフレ期待を反映するブレーク・イーブン・インフレ率(フォ ワードBEI)は、昨年9月13日にFOMCが住宅ローン担保証券の毎 月400億ドル購入を発表して以降、上昇している。この日は2.88% と、11月1日以来の高水準。購入発表前の6カ月間の平均は2.52%。

高リスク資産に市場を誘導

30年債と同年限のインフレ連動債(TIPS)の利回り格差は2.59 ポイントと9月以来の最大付近。

ニューエッジUSA(ニューヨーク)の金利ストラテジスト、デー ビッド・ロビン氏は「国債に関しては押し目買いを気にするより、上昇 局面で売るべきだ」とし、「FOMCは市場のセンチメントをよりリス クの高い資産にシフトさせようとしており、その試みは成功しつつあ る」と続けた。

この日発表された昨年第4四半期の実質GDP(季節調整済み、年 率)速報値は前期比0.1%減少した。国防支出の減少と、在庫のマイナ ス寄与が背景にある。この発表後、米国債は一時下げを縮小した。

ベーカー・グループのアソシエートパートナー、ジェフリー・コー ロン氏は電話取材で、「第4四半期のGDPは、米経済の基盤がいかに 弱いかを思い出させるものだ」とし、「経済は標準以下のパフォーマン スが続く見通しだ。そうした状況から金融当局は積極的な緩和策を継続 せざるを得ないだろう」と指摘した。

原題:Treasury Yields at Almost 9-Month Highs as Fed Retains Stimulus(抜粋)

◎NY金:続伸、3週間ぶり大幅高-米GDPマイナス成長で逃避

ニューヨーク金先物相場は続伸。ほぼ3週間ぶりの大幅高となっ た。昨年10-12月(第4四半期)の米経済がマイナス成長となったこと から、逃避先とされる金に買いが集まった。

米商務省が発表した2012年第4四半期の実質国内総生産(GDP、 季節調整済み、年率)速報値は前期比0.1%減少した。マイナスは今回 の景気拡大期が始まった2009年第3四半期以降で初めて。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は1.1%増だった。 米連邦公開市場委員会(FOMC)は会合後の声明で、経済は悪天候な ど一時的な要因により足踏みしているとし、毎月850億ドルの債券購入 を継続する方針を示した。

ロング・リーフ・トレーディング・グループのチーフマーケットス トラテジスト、ティム・エバンス氏(シカゴ在勤)は電話インタビュー で、「GDPのマイナス成長を受け、明らかに安全への逃避が見られ る」と指摘。「過去数四半期の成長はかなり安定していたが、今回のよ うな数字がもっと増えれば、金の堅調は続くだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4 月限は前日比1.1%高の1オンス=1681.60ドルで終了。中心限月として は10日以来の大幅上昇となった。FOMC声明発表後は電子取引で一 時1.3%値上りした。

原題:Gold Caps Biggest Gain in Three Weeks After U.S. Economic Report(抜粋)

◎NY原油:3日続伸、4カ月ぶり高値-FOMC資産購入継続

ニューヨーク原油先物相場は3日続伸。約4カ月ぶりの高値とな った。米連邦公開市場委員会(FOMC)が資産購入プログラムの継 続を表明したことが買い材料になった。

FOMCは会合後の声明で毎月850億ドルの債券を購入していく方 針をあらためて示した。これを背景にドルは対ユーロで軟調な展開とな った。原油はこのままいけば、月間ベースでは昨年8月以来の大幅上昇 となる見通し。2月1日には1月の雇用統計が発表される。

プレステージ・エコノミクス(テキサス州オースティン)のジェイ ソン・シェンカー社長は「経済に対する信頼感や雇用統計への期待が高 まりつつある上、FOMCは緩和策を続ける方針を示した」と指摘。 「景気に関して楽観的になる理由があるため、原油は上昇している」と 述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前日 比37セント(0.38%)高の1バレル=97.94ドルで終了した。終値では 昨年9月14日以来の高値となった。月初からは6.7%値上りしている。

原題:Crude Rises to Four-Month High as Fed Maintains Asset Buying(抜粋)

◎欧州株:年初来で最大の下げ、米GDPを嫌気-伊サイペム急落

30日の欧州株式相場は年初来で最大の値下がりとなった。油田サー ビス会社の伊サイペムが急落したほか、米経済が昨年10-12月(第4四 半期)に縮小したことが悪材料。

サイペムは34%急落。2012、13両年の利益見通しの下方修正が響い た。スウェーデンの銀行、スウェドバンクは2年8カ月ぶりの大幅高。 昨年10-12月の純利益が前年同期の4倍余りに増え、配当性向を75%に 引き上げた。ノルデア銀行は3.2%高。四半期利益が予想を上回ったこ とが好感された。

ストックス欧州600指数は前日比0.6%安の288.63で引け、前日 の2011年2月18日以来の高値から反落した。月初来では3.2%上昇。

メリトン・インベストメント・マネジメント(デュッセルドルフ) の欧州株アセットマネジャー、トビアス・ブリティッシュ氏は電話イン タビューで、「欧州株への主要リスクは政治の不透明感から生まれるか もしれない」と述べ、「政治の問題は予測不可能だが、欧州では選挙実 施が近づいている」と付け加えた。イタリア総選挙は2月24、25日に予 定されている。

米商務省が発表した第4四半期の実質国内総生産(GDP、季節調 整済み、年率)速報値は前期比0.1%減少。ブルームバーグ・ニュース がまとめたエコノミストの予想中央値は1.1%増だった。

この日の西欧市場では18カ国中14カ国で主要株価指数が下落した。

原題:European Stocks Drop the Most This Year as Saipem Shares Plummet(抜粋)

◎欧州債:イタリア債下落、入札で需要が減る-スペイン債も軟調

30日の欧州債市場ではイタリア国債が下落。この日の10年債 入札で需要が落ち込んだことが背景にある。

イタリア10年債利回りは3週間ぶり高水準となった。この日 の入札での10年債の発行額は35億ユーロ、応札倍率は1.32倍 となり、先月の1.47倍を下回った。スペイン国債も軟調。政府発 表によると、同国の10-12月(第4四半期)国内総生産(GDP) はエコノミスト予想以上に悪化した。ドイツ国債も下げ、2年債利 回りは10カ月ぶり高水準に近づいた。

コメルツ銀行の債券ストラテジスト、マイケル・ライスター氏 (ロンドン在勤)は「これまでにかなりの国債発行があり、市場は それを消化している」とし、イタリア入札での応札倍率低下を指摘。 その上で、「全体的に、最近の相場上昇後に市場が小休止するのは 極めて自然な反応だ」と語った。

ロンドン時間午後5時現在、イタリア10年債利回りは前日比 15ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の4.32%。 一時は4.33%と、9日以来の高水準となった。25日には2010 年11月10日以来の最低となる4.07%まで下げた。同国債(表 面利率5.5%、2022年11月償還)価格はこの日、1.205下げ

109.69。

スペイン10年債利回りは7bp上昇し5.23%。

ドイツ2年債利回りは2bp上げて0.29%。28日には昨年3 月21日以来の高水準となる0.32%に達した。10年債利回りも2 bp上昇の1.71%。昨年9月17日以来最も高い1.73%を付け る場面もあった。

英国債

英国債相場は下落し、30年債利回りは昨年4月以来の高水準と なった。昨年12月の英住宅ローン承認件数が増加したことを経済 統計が示し、国債需要が減退した。

英10年債も下落し、ここ5営業日で上昇したのは1営業日の み。銀行融資を後押しするイングランド銀行(英中央銀行)の取り 組みが、景気回復を支援すると受け止められた。

ロンドン時間午後4時14分現在、30年債利回りは前日比2b p上昇の3.35%。一時は3.36%と、昨年4月24日以来の高水 準となった。同国債(表面利率4.5%、2042年12月償還)価格 はこの日、0.415低下の121.63。10年債利回りは2.13%と、 4日以来の最高に達した。

原題:Italy’s Bonds Fall as Yield Plunge Saps Demand at Debt Auction(抜粋) Gilts Fall as Mortgage Approvals Rise; Pound Weakens Versus Euro(抜粋)

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