米国債:30年債利回り、約9カ月ぶり高水準-FOMC政策維持

米国債市場では30年債利回りがほぼ 9カ月ぶり高水準で推移。米連邦公開市場委員会(FOMC)は景気浮 揚に向け資産購入を継続する方針を表明した。

FOMCは会合後に発表した声明で、悪天候など一時的な要因が大 きく影響し経済は足踏みしたとした上で、毎月850億ドルのペースでの 債券購入を継続する方針を示した。30年債利回りは、昨年10-12月(第 4四半期)の米実質国内総生産(GDP)の減少が発表される前に一 時、4月以来の高水準を付けた。

バンク・オブ・モントリオール傘下BMOキャピタル・マーケッツ の政府債トレーディング責任者、スコット・グレアム氏(シカゴ在勤) は「一部では緩和策の縮小を見込む向きもあったが、縮小が時期尚早で あることは明らかだ」と指摘した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、30年債利回りは前日比ほぼ変わらずの3.18%。一 時3.22%と、4月12日以来の高水準を付けた。同年債(表面利 率2.75%、2042年11月償還)価格は91 23/32。

10年債利回りは1bp下げて1.99%。一時2.03%と、4月25日以来 の高水準となった。

「一時的な要因」

FOMCは声明で、「経済活動の伸びは天候に関連した混乱や他の 一時的な要因が大きく影響し、ここ数カ月停滞した」と説明した。

FOMCはまた、政府支援機関の住宅ローン担保証券を毎月400億 ドル、米財務省証券を毎月450億ドルのペースで購入する方針を継続す る。また政府機関債と住宅ローン担保証券の償還元本を住宅ローン担保 証券に再投資し、償還を迎える米財務省証券を入札時にロールオーバー する現行方針を維持する。

さらに「労働市場の見通しが大幅に改善しない場合」は証券の購入 を継続するとあらためて表明した。

金融当局は2008年から11年に実施した量的緩和第1、2弾で、米国 債および住宅ローン担保証券を総額2兆3000億ドル相当購入した。

金融当局が政策決定の判断材料とする5年後から5年間(2018-23 年)のインフレ期待を反映するブレーク・イーブン・インフレ率(フォ ワードBEI)は、昨年9月13日にFOMCが住宅ローン担保証券の毎 月400億ドル購入を発表して以降、上昇している。この日は2.88% と、11月1日以来の高水準。購入発表前の6カ月間の平均は2.52%。

高リスク資産に市場を誘導

30年債と同年限のインフレ連動債(TIPS)の利回り格差は2.59 ポイントと9月以来の最大付近。

ニューエッジUSA(ニューヨーク)の金利ストラテジスト、デー ビッド・ロビン氏は「国債に関しては押し目買いを気にするより、上昇 局面で売るべきだ」とし、「FOMCは市場のセンチメントをよりリス クの高い資産にシフトさせようとしており、その試みは成功しつつあ る」と続けた。

この日発表された昨年第4四半期の実質GDP(季節調整済み、年 率)速報値は前期比0.1%減少した。国防支出の減少と、在庫のマイナ ス寄与が背景にある。この発表後、米国債は一時下げを縮小した。

ベーカー・グループのアソシエートパートナー、ジェフリー・コー ロン氏は電話取材で、「第4四半期のGDPは、米経済の基盤がいかに 弱いかを思い出させるものだ」とし、「経済は標準以下のパフォーマン スが続く見通しだ。そうした状況から金融当局は積極的な緩和策を継続 せざるを得ないだろう」と指摘した。

原題:Treasury Yields at Almost 9-Month Highs as Fed Retains Stimulus(抜粋)

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