FOMC:毎月850億ドルの債券購入を継続、景気は足踏み

米連邦準備制度理事会(FRB) は29-30日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に声明を 発表し、毎月850億ドルの債券を購入していく方針をあらためて示し た。経済については悪天候など一時的な要因により足踏みしていると指 摘した。

声明は「経済活動の伸びは天候に関連した混乱や他の一時的な要因 が大きく影響し、ここ数カ月停滞した」としながらも、「家計支出と企 業設備投資は増加し、住宅セクターでは一層の改善が示された」との見 解を示した。

バーナンキ議長率いるFOMCは米国債と住宅ローン担保証券 (MBS)を特に期限を設けずに購入していく方針を打ち出している。 米国の失業率は4年間にわたり7.5%以上で推移。経済成長は昨年10 -12月(第4四半期)に0.1%のマイナスに落ち込んだ。

ウェルズ・ファーゴのシニアエコノミスト、マーク・ビトナー氏は 「現在の政策やスタンスの撤回を検討している兆候は全くない。成長は 緩やかでインフレ率は予想以下にとどまっている。FOMCの決定がデ ータ次第であるという点で、全ての関連データは緩和継続を示唆してい る」と述べた。

元本再投資も維持

債券購入の内訳はMBSが毎月400億ドル、米国債が同450億ドル。 政府機関債と住宅ローン担保証券の償還元本を住宅ローン担保証券に再 投資する現行方針の維持も確認した。

FOMCは「労働市場の見通しが大幅に改善されない場合」、資産 購入を継続する方針もあらためて示した。

さらに、失業率が6.5%を上回り、インフレ率が2.5%以下にとどま ると予想される限り、政策金利をゼロ近辺にとどめる考えも維持した。

FOMCは「世界の金融市場での緊張はいくらか和らいだものの、 委員会は景気見通しに下振れリスクがあると引き続き認識している」と 指摘した。前回12月の会合では世界の金融市場での緊張が「景気見通し に著しい下振れリスクをもたらしている」としていた。

インフレについては「エネルギー価格の変動を主として反映した一 時的な変化を除けば、委員会の中長期的な目標をやや下回る水準で推移 している」と説明した。

FOMCは長期的なインフレ率の目標として、個人消費支出 (PCE)物価指数の前年比2%上昇を掲げている。昨年11月のPCE 物価指数は1.4%上昇だった。

ジョージ総裁が反対

カンザスシティー連銀のジョージ総裁は「大規模な金融緩和の継続 で将来的に経済と金融の不均衡が生まれるリスクが強まったほか、今後 時とともに長期のインフレ期待を高める要因になり得るとの懸念を示 し、反対票を投じた」。2013年に金融政策で投票権を有する地区連銀総 裁はジョージ総裁のほか、セントルイス連銀のブラード総裁、シカゴ連 銀のエバンス総裁、ボストン連銀のローゼングレン総裁。

ブルームバーグがまとめた調査によると、FOMCはこの日の会合 で資産購入の継続を表明するとエコノミスト全員が予想していた。2012 年9月から始まった今回の購入プログラムの終了時期については中間値 で2014年第1四半期となっており、購入総額は1兆1400億ドルと予想さ れている。

FRBのバランスシートは3兆ドルを超え、過去最大に拡大してい る。景気拡大局面は3年以上わたって続いてきたが、今なお1220万人が 失業状態に置かれている。

FOMCだけが危機モード

ウェルズ・キャピタル・マネジメントのチーフ投資ストラテジス ト、ジェームズ・ポールセン氏は「FOMCだけが危機モードから脱し ていない。どう判断しても現実は2008年や09年よりも格段に改善してい るが、非伝統的で積極的な金融政策は強まっている」と話した。

BNPパリバの北米担当チーフエコノミスト、ジュリア・コロナド 氏(ニューヨーク在勤)は歳出削減と増税が景気を減速させるリスクが あるため、FOMCが緩和政策を維持するのは確実だと指摘。「財政に 関する不透明感が幾らかでも晴れない限り、金融当局は撤退のリスクを 取りたがらないだろう。今後数回のFOMC会合での決定は恐らく非常 に簡単だ。リスクを監視しながら、政策を維持し、バランスシートの拡 大を続けるというものだ」と語った。

原題:Fed Maintains $85 Billion Pace of Purchases as Growth Pauses (2)(抜粋)

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