日本取引所G:デリバティブ来年3月統合へ、今期業績は増額

日本取引所グループ(JPX)は30 日、3月下旬にも公表する来期からの中期経営計画の基本方針を発表し た。この中で、デリバティブ市場の統合時期や総合取引所への今後の取 り組みなどを明記。同社では併せて、最近の日本株相場の活況を反映 し、今期の連結業績計画を上方修正した。

JPXが発表した資料によると、デリバティブ市場は2014年3月に 大阪証券取引所に集約し、取引システムにはJ-GATE(ナスダック OMX社のClick XT)を採用する。日経225、TOPIX、国債関連を 含む幅広いデリバティブ商品(派生商品)が同一プラットフォームで取 引が可能になり、TOPIX先物、国債先物などについては夜間取引の さらなる延長も可能になったとしている。

現物に関しては、7月16日付で東京証券取引所に統合し、売買シス テムはアローヘッドを採用。大証1・2部銘柄は東証1・2部に上場さ せ、上場審査・廃止基準などは東証の現行制度を踏襲する。また、東証 にジャスダック市場を新設する。新たな東証1部銘柄のTOPIXへの 組み入れについては、流動性インパクトを軽減する観点から通常、上場 日・指定日の翌月末としている組み入れ日を8月30日、10月31日の2段 階に分ける意向。新規組み入れ銘柄と組み入れ時に使用する浮動株比率 は8月7日に公表予定だ。

商品多様化へコモディティ進出示唆

来期から3カ年の中期計画についての基本方針では、「デリバティ ブ市場の拡大」「新たな日本株市場の創造」「取引所ビジネス領域の拡 大」を重点項目として列挙した。デリバティブについては、商品の多様 化のため、コモディティ分野への進出に言及している。大和証券の塩田 淳アナリストは、JPXは統合後の成長をどうするかが課題になってい るとした上で、「会社側が自らグロース戦略を具体的に打ち出し始めて いる」と評価した。

ただ、JPXの斉藤惇最高経営責任者(CEO)はきょう午後の定 例会見で、具体的に東京工業品取引所との合流の可能性について記者団 から聞かれると、「なかなか難しい。いろいろなバリアを考えると、も っと足元を固めた方がいい」と述べるにとどまった。

統合によるシステム関連コストについては、今期、来期は加速償却 による減価償却費の増加から一時的にコストアップ要因になるもの の、15年3月期にはコスト削減効果が出始め、16年3月期には年間70億 円程度発現すると見込む。

一方、同社ではこの日、12年4-12月期の連結決算を発表し、純利 益は73億1300万円、営業収益は459億円だった。同社資料によれば、前 年と比較可能にした実質ベースで見ると、純利益は12%増、営業収益 は1.8%増。デリバティブの好調、人件費削減の効果が出ている。

今期純利益を36%増額、増配も

金融緩和期待などから、昨年12月中旬以降に日本株の売買が大幅に 増加している点を踏まえ、13年3月通期の純利益見通しは95億円と、従 来の70億円から36%上方修正した。期末配当計画も、1株当たり50円か ら70円へ修正。昨年12月時点では、今期の1日平均売買代金の前提を株 券(東証、大証の1・2部、マザーズ、ジャスダック合計)で1兆2000 億円と想定していたが、今回1兆4000億円へ引き上げた。大和証の塩田 氏は、「マーケット環境が良くなったことに応じて業績予想が上方修正 されている。印象としては悪くない」言う。

JPXの業績押し上げ要因ともなっている東京株式市場ではこの 日、日経平均が終値で2010年4月30日以来の1万1000円台を回復した。 斉藤CEOは政府のデフレ対策について、「久しぶりに政治が国家の政 策を遂行しているという感じをもって歓迎している」とし、売買増加や 株価上昇は市場も同様に歓迎している表れだと分析。その上で、「今ま でたまってきたエネルギーが、ぼっと燃えている感じがする。個人の参 加も見えてきている」と述べた。

決算はきょう午後0時30分に発表された。株価は主要取引所の東証 1部で、午後に入り一時前日比9.6%高の5720円まで上げ幅を拡大。終 値は5.4%高の5500円だった。

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