東工取、生き残りかけ海外との提携強化が必要-経産省審議官

売買高が低迷している東京工業品取 引所は来月12日に東京穀物商品取引所から大豆やトウモロコシ、粗糖な どの農産物市場の移管を受けるが、経済産業省の豊永厚志・商務流通保 安審議官は、東工取の業績回復はすぐには困難とみており、生き残りに は海外取引所との提携強化が必要との見方を示した。

東工取は国内最大の商品取引所で、金やプラチナ、ゴム、原油など を上場し、2011年度の取引高は3089万枚(枚は取引の最小単位)と国内 総取引高の94%を占めている。農産物市場が移管されれば国内取引のほ ぼすべてを占めることになるが、取引高は約5%増加するにとどまる。

豊永氏は28日のブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、東 工取の取引活性化には国際競争力の強化が必要と指摘し、「海外の投資 家なり取引所を取り込む国際戦略が必要」と述べた。豊永氏は、国内に 商品取引所が必要だとした上で、「放っておくとなくなる」との懸念を 示した。

東工取と海外取引所の提携をめぐっては、昨年3月に朝日新聞が、 東工取が米系大手のシカゴ商業取引所(CME)に資本・業務提携を打 診する方針を決めたと報じている。豊永氏は、「CMEに限らずシンガ ポールやドバイの取引所でもよい。東工取はできる努力をするべきだ」 と話した。東工取の経常損益は2011年度まで4期連続で赤字を計上して おり、12年4-9月も2550万円の赤字だった。

国内の商品取引は取引高の減少に歯止めがかからず、05年にあった 7商品取引所は現在、東工取、東穀取、関西商品取引所の3カ所に減 少。東穀取は農産物市場の移管後、解散する方針を示している。11年夏 に起死回生を狙って72年ぶりにコメ先物取引を上場したものの取引高の 大幅な減少に歯止めをかけることができず、業績の回復が見込めないと 判断した。

国内商品取引所会員で構成する日本商品先物取引協会理事で東工取 取締役の多々良実夫・豊商事会長は、国内商品取引所の取引高の減少に ついて、政府が11年に取引受託業者などへの規制を強め、顧客からの依 頼なく勧誘を行う不招請勧誘を禁止したことが大きな理由と説明。「海 外の投資家などが東工取に入ってくるためには、まず国内の個人投資家 を呼び込み、流動性を高める必要がある」と述べた。

東工取は03年には世界2位の商品取引所だったが、インドのマルチ 商品取引所や中国の上海期貨交易所などに追い抜かれ、11年のランキン グは12位。取引高は1位のニューヨーク商業取引所(NYMEX) の5.8%にとどまっている。

東工取の大株主は三菱商事や住友商事、野村ホールディングス、日 本ユニコムなど。

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