日本投資のヘッジファンド、12月に年収益の大半稼ぐ-安倍相場で

日本に投資するヘッジファンド は2012年12月に、同年の収益のうち半分以上を稼ぎ、同月としては主要 地域別の指標で最も収益を上げた。12月の総選挙で発足した安倍政権が デフレ脱却に向け、大胆な金融・財政政策を打ち出し、円安・株高が進 んだことが背景にある。

日本投資のヘッジファンドのパフォーマンスを示すユーリカヘッジ 日本指数は12月、3.91%を記録。年間では6.54%となった。また、 SFPバリュー・リアライゼーション・ファンド、GCIジャパン・ハ イブリッズ、アーカス・ジャパン・ロング・ショート・ファンドなどが 年間で2けたの収益を上げた。

日経平均株価は衆院が解散された11月中旬以降、急上昇し、年 率23%と05年以来の上昇率だった。ユーリカヘッジ世界指数は6.24%。 また、円相場は11月中旬の1ドル=80円近辺から年末には86円台に下 落、さらに今月28日には10年6月以来の円安水準の91円26銭を付けた。

日本指数はユーリカヘッジが算出した地域別の主要5指数のうち年 間では最も悪い結果となったが、10兆円規模の緊急経済対策の策定やイ ンフレターゲットの設定で、株価上昇や円安が進むとの見方から回復傾 向にある。ブルームバーグの読者調査によると、投資家は今後3年間、 日本の市場を強気でみており、安倍政権は世界第3位の日本経済を復活 させられると確信している。

ファンドオブファンズに投資助言するロジャーズ・インベストメン ト・アドバイザーズのエド・ロジャーズ最高経営責任者(CEO)は 「政治的なニュースによる市場の乱高下が不安定な市場を作り、ほとん どのヘッジファンドの収益を低くしたため、12年も日本のヘッジファン ドにとって難しい1年となった」と振り返る。

今年は好転

13年について、ロジャーズ氏は「これまでとまったく違う展開を予 想している」という。助言するファンドは米ドル建てで暫定年間リター ンは1.5%だったが、12月だけでは4%の利益を上げた。同氏は、安倍 首相は日本銀行や政府から明確な権限と支援を得て、20年間のデフレか らの脱却に取り組もうとしていると評価する。日銀は22日、1%を目指 していた物価上昇率を2%の「目標」に引き上げた。

12月に運用を開始したファンドオブヘッジファンズのSRFグルー プの山崎季一氏は、「これまでは日本以外の要因で市場が動いてきた が、新政権により日本独自の要因で市場が回復する可能性がある」と述 べ、海外要因に左右されにくく、プラスだという。同社は少なくとも3 月までは日本に投資するファンドが好調とみて、投資している9ファン ドのうち日本特化ファンドは8ファンドとなっている。

高収益ファンド

2億ドルを運用するシンフォニー・ファイナンシャル・パートナー ズのSFPバリュー・リアライゼーション・ファンドは昨年、約44%の 運用収益(手数料控除後)を上げた。自社株買いなどを日本企業の経営 陣に働きかけ、増配した衛生用品機械メーカーの瑞光などが収益に寄与 した。デービッド・バラン共同最高経営責任者は、安倍政権の円安誘導 を評価し、「日本企業の業績は円高の影響を受けてきたが、円安が進む につれ業績も驚くほど反転するだろう」と予想する。

GCIアセットマネジメントが助言して、日本企業の株式、債券、 転換社債(CB)に投資するファンドは、12年に26.46%の収益を上げ た。中川成久チーフ・ポートフォリオ・マネージャーは安倍政権につい て、「国内の設備投資や雇用を促す税制改正など眠っている貯蓄を利用 するアニマルスピリットに訴えかける政策も評価できる」という。

日本株ロング・ショート戦略で運用するファンドが11.5%の年間収 益を上げた英国の独立系運用会社アーカス・インベストメントの共同設 立者、マーク・ピアソン氏は「安倍首相が着手した政策をやり遂げれ ば、複数年にわたり強気相場になるだろう」と予想する。そのほかユナ イテッド・マネージャーズ・ジャパンが日本株で運用するコトシロファ ンドは昨年、小型株の銘柄選択などが奏功し、18.48%の収益を上げ た。

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