円は対ドル90円台で売り買い交錯、株価動向や米FOMCを見極め

東京外国為替市場では、円がドルに 対して1ドル=90円台後半を中心に売り買い交錯の展開となった。前日 に対ドルで2年7カ月ぶり安値を付けて以降の持ち高調整に伴う円買い の流れが残った半面、株価の反発を背景に円売りが強まる場面も見られ た。

ドル・円相場は90円後半で東京市場を迎えると、一時2営業日ぶり の円高値となる90円40銭まで円買いが先行。その後、続落して始まった 日本株が上昇に転じると、円は伸び悩み、午後1時前には一時91円02銭 まで値を戻した。しかし、円売りも続かず、その後は90円後半で方向感 の乏しい展開となった。

新生銀行市場営業本部の政井貴子部長は、安倍晋三首相の所信表明 も終わり、日本側は次の日銀総裁選びに向けた国会運営に注目が集まる という流れで、景気指標をみるにはやや早すぎると指摘。そうした中、 ドル・円は「本来は調整してもよさそうだが、一方で米国の指標が良い ので、調整といって深押しするイメージはみんなあまり持っていないだ ろう」と話した。

ドル・円は前日の東京市場で2010年6月以来のドル高・円安水準と なる91円26銭を記録。その後は日本株の反落を背景に円の買い戻しが進 み、海外時間も円買い優勢の展開となっていた。

一方、米国ではきょうから2日間の日程で米連邦公開市場委員会 (FOMC)が始まる。政井氏は、米10年債利回りもだいぶ上がってき ているため、「この環境をみてどういう判断なのかというところ」が注 目だと話した。

ユーロ・円相場は朝方に1ユーロ=121円56銭まで円買いが進んだ 後、122円45銭まで円が反落。その後は122円ちょうど前後でもみ合う展 開となった。前日には122円91銭と11年4月以来のユーロ高・円安水準 を付けていた。

FOMC

米連邦準備制度理事会(FRB)は前回12月のFOMC会合で、毎 月400億ドル規模の住宅ローン担保証券を買い入れる資産購入プログラ ムを拡大し、1月から米国債を毎月450億ドル購入することを決めた。 また、失業率が6.5%を上回り、「向こう1-2年の」インフレ率 が2.5%以下にとどまると予想される限り、政策金利を低水準にとどめ る考えを示した。

ユニオン・バンクのトレーダー、白井万雄氏(ロサンゼルス在勤) は、「今年最初の会合だし、ある程度は声明の文言に関して何か変化が あるかどうかが話題になる可能性はある」と指摘。2013年に入り、これ から先は14年にかけて米金融当局がいつ利上げに動くかをめぐって市場 の予想が交錯することになるため、当局が「どのように金利についてみ ているかといったヒントが出るか」が注目だと話した。

12月のFOMCの議事録によると、同会合では数人のメンバーが 「現行の資産購入は13年末ごろまで正当化される公算が大きいとの認識 を示した」一方、「幾人かのメンバーは金融の安定もしくはバランスシ ートの規模をめぐる懸念から、年末よりかなり前の時点での資産購入の 縮小なり停止が恐らく適切になるだろう」と指摘した。

みずほ証券の鈴木健吾FXストラテジストは、前回のFOMC会合 で緩和策縮小の可能性が示唆され、「そういった話が出ると、それだけ でドル買いにつながりかねない」とし、ドル・円はもう一段上をトライ する展開もあり得ると語った。

米景気

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれ ば、29日発表の昨年11月の米スタンダード・アンド・プアーズ(S& P)/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で5.5%上昇と、06年 以来の大幅な伸びが見込まれている。

前日の米国市場では昨年12月の米製造業耐久財受注額が予想を大幅 に上回る増加となったことを受け、米10年債利回りが一時、昨年4月以 来となる2%まで上昇。一方、12月の米中古住宅販売成約指数が4カ月 ぶりのマイナスだったことが嫌気され、米株式相場は小幅反落した。

ユーロ・ドル相場は前週末に昨年2月以来のユーロ高・ドル安水準 の1ユーロ=1.3479ドルを付けた後、1.34ドル台でもみ合う展開が継 続。この日の東京市場では1.3437ドルから1.3461ドルの間で推移した。

--取材協力:. Editors: 崎浜秀磨, 山中英典

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