日本株反発、業績上振れ観測で大手銀買い-鉱業やKDDIも

東京株式相場は反発。株価上昇で今 期業績が上振れると一部報道で伝えられた大手銀行株がそろって上げ、 相場全体をけん引した。海外原油先物の上昇を好感し、鉱業株は急伸。 決算発表の本格化で銘柄選別の動きが出始める中、今期業績計画を上方 修正したKDDIは終日堅調だった。

TOPIXの終値は前日比6.98ポイント(0.8%)高の920.76、日 経平均株価は同42円41銭(0.4%)高の1万866円72銭。

大和住銀投信投資顧問の岩間星二ファンドマネジャーは、「金融緩 和を背景とした円安期待感が強く、夏の参院選までは買い安心感があ る」と指摘。米国を中心に海外経済も回復しており、「不安要素がない のが株式市場にポジティブになっている」と話していた。

きょうの日本株は、為替の円安基調の一服、米中古住宅統計の低調 を受けTOPIX、日経平均とも続落して開始。ただ、政策支援に基づ く相場の先高観が強い中、金融、資源株に押し上げられる格好で反転す ると、午後には日経平均の上げ幅が一時100円を上回った。オーストラ リアの昨年12月の景況感指数が2001年10月以来の改善を見せ、豪州のほ か、アジア・太平洋株式が堅調に推移したことも投資家心理好転の一 因。ただ、個別企業の決算内容を吟味したいとの雰囲気もあって、日経 平均1万900円台では上値の重い展開となり、終盤は伸び悩んだ。

東証1部33業種では上昇率1位の鉱業をはじめ、銀行、鉄鋼、石 油・石炭製品、証券・商品先物取引、ガラス・土石製品、非鉄金属、海 運、食料品など27業種が上昇。鉱業や石油に関しては、28日のニューヨ ーク原油先物が0.6%高のバレル当たり96.44ドルと上昇、4カ月ぶりの 高値を付けていたことが支援した。

銀行が指数押し上げる

銀行は33業種の上昇率2位、TOPIXの押し上げ寄与度でトッ プ。三菱UFJフィナンシャル・グループやみずほフィナンシャルグル ープ、三井住友フィナンシャルグループの大手金融グループがそろって 売買代金上位で高い。保有銘柄の株価上昇で株式減損額が大幅に減 り、13年3月期の業績が従来予想を上回る見通し、と29日付の日本経済 新聞朝刊が報道。また、ゴールドマン・サックス証券が円安による海外 利益貢献の換算レートの改善、自己資本比率の上昇などを理由に、メガ バンクのセクター見解「アトラクティブ」を再強調する材料もあった。

個別では、KDDIが上昇。13年3月期の連結営業利益計画を前日 に小幅に上方修正しており、野村証券では目先の株価は上値を追う展開 になるとし、目標株価を7500円から8110円に上げた。独ダイムラーなど と共同で、電気自動車向け燃料電池を共同開発する日産自動車も高い。

建設は軟調

一方、建設、小売、繊維製品など6業種は小幅ながら下落。個別で は、前日急騰していたソニーが売買代金を伴い売られた。中国当局がゲ ーム機の販売・輸入規制の撤廃を検討しているとした一部報道につい て、中国文化省が否定したと東方早報が29日に報じた。JPモルガン証 券が投資判断を引き下げたシチズンホールディングス、今期業績は営業 損益段階から赤字に転落する見込みとなった前田建設工業が安い。

大和証券投資戦略部・情報課の高橋卓也副部長によると、安倍政権 の政策期待を受けた上昇相場は一服し、「日米のミクロの材料に関心が シフトしている」と言う。ただ、「個々の銘柄の悪い決算で、相場全体 の方向感が変わることはない」との認識も示していた。

東証1部の売買高は概算で34億7477万株、売買代金は2兆572億 円、値上がり銘柄数は889、値下がり663。国内新興市場では、ジャスダ ック指数が前日比0.1%安の62.43と4日ぶりに反落、東証マザーズ指数 は同7.9%安の540.92と8日ぶりに反落した。

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