債券は続落、米金利上昇や国内株高で売り圧力-先物2週間ぶり安値

債券相場は続落。前日の米国債相場 の下落に加えて、国内株が反発したことを背景に売り圧力が掛かり、先 物は2週間ぶり安値を付けた。

東京先物市場で中心限月の3月物は朝方に前日比5銭高の144円35 銭に反発する場面も見られたが、すぐにマイナス圏に転落。午後の取引 にかけて水準を切り下げ、一時は31銭安の143円99銭まで下落し、日中 取引ベースで15日以来の安値を付けた。終値は23銭安の144円07銭。日 経平均株価は午後に入って前日比113円高まで上げ幅を拡大する場面も 見られた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の327回債利回 りは、前日比横ばいの0.745%で始まり、その後は水準を切り上げる展 開となり、午後1時すぎには2.5ベーシスポイント(bp)高い0.77% と、15日以来の水準に上昇。その後は0.765%で推移している。5年物 の107回債利回りは0.5bp高い0.16%。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥債券運用部長は、市場が円安や株 高方向に振れやすいこともあって債券は売り圧力が強いとし、「10年債 には割高修正の売りが優勢となった」と説明。また、欧州金融市場の正 常化や米景気回復期待が広がる中、先物には外国人の持ち高調整売りの ほか、CTA(商品投資顧問)などの売りの観測も出ているとも言う。

米長期金利が一時2%台

28日の米国債相場は下落。米10年国債利回りは前週末比1bp高 い1.96%程度。一時は2.00%と、昨年4月以来となる2%台に乗せた。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、ここ2日間の米債相場 の下げは長期債がけん引するベアスティープ(傾斜)化ではなく、中期債 がけん引していることに注意が必要だと指摘。「長期ゾーンのスティー プ化だけならば10年債の2.0%が強い壁になろうが、中期ゾーンが膨ら んで行ってしまうとその限りではない」と説明した。

一方、この日は2013年度予算案が閣議決定され、それを受けて、財 務省から来年度の国債発行計画が発表される。国債市中発行額は157兆 円程度と、過去最大を更新する。2年と30年債を増発して対応する。複 数の政府関係者がブルームバーグ・ニュースに対し明らかにした。

バークレイズ証券の丹治倫敦債券ストラテジストは、発行計画につ いて、「国債整理基金特別会計から7兆円取り崩すとしたらかなりの額 で、発行額が少なくなるのは間違いない。2年債の増発は需給へのイン パクトは小さい。市場が期待していた内容から大きなかい離はなさそう だ」と言う。

20年物の141回債利回りは一時、前日比1bp高い1.78%を付けた 後、1.775%で推移。30年物の37回債利回りは午後3時前後に1bp低 い1.985%に水準を切り下げ、その後は1.99%での推移となっている。

大和住銀投信の伊藤氏は、「先物が144円を割り込んで下げに拍車 がかからない限り、10年債利回りの0.7%台後半ではいったんピークを 付けそう」だと言い、13年度の国債発行計画が明らかになれば安心感が 戻ることも考えられると指摘。また、「金利水準面で妙味のある超長期 債には押し目買い意向がある」とし、金融緩和強化の観測から短中期ゾ ーンでも売り圧力は限定的だとみている。

--取材協力:赤間信行、船曳三郎、山中英典. Editors: 山中英典, 崎 浜秀磨

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