来年度国債市中発行額156.6兆円、5年連続最大-2年・30年債増発

来年度中に入札を通じて機関投資家 に販売する国債の市中発行額は156兆6000億円と、5年連続で過去最大 となる。2012年度補正予算編成に伴う国債増発が13年度発行分にずれ込 むことなどが背景。

麻生太郎財務相が29日の臨時閣議に出した13年度国債発行計画によ ると、国債市場に影響を及ぼす市中発行額は、前年度当初計画比で6 兆9000億円増の156兆6000億円となる。年度間調整分は、12年度補正後 で過去最大の5兆7940億円に上り、その分の国債発行が13年度に先送り される。

市中発行額の増加分6兆9000億円は、2年と30年債に振り分けられ る。2年債は月2000億円増加の2兆9000億円を毎月発行し、年間で34 兆8000億円となる。30年債は1回当たり7000億円を年8回発行していた が、来年度は毎月発行に移行。40年債と発行が重なる月(5、8、11、 2月)は1回当たり5000億円で年4回、40年債と発行が重ならない月は 1回当たり6000億円で年8回発行し、年間で6兆8000億円とする。

バークレイズ証券の徳勝礼子シニア債券ストラテジストは、「物価 連動債の発行再開、2年と30年債の増発は予想の範囲内。30年債は毎月 発行となるが、40年債と入札が重なる月は若干減らしているのでそこそ 抑制されている感じ」と分析。「意外感はなく、相当織り込まれていた ため、増発を材料に売られることはないだろう」と話した。

20年と40年債は据え置き

一方、20年債と40年債は前年度から据え置く。20年債は毎月1 兆2000億円発行し、年14兆4000億円。40年債は、1回当たり4000億円を 年4回発行し、年間1兆6000億円。1年割引短期国債は毎月2兆5000億 円を発行と、前年度と同額。6カ月割引短期国債は、12年度は9000億円 を計上したが、13年度は計上を見送る。

5年と10年債は、12年度補正予算編成に伴い、2月発行分からの増 発が決まっている。5年債は月2000億円増の2兆7000億円。10年債は 月1000億円増の2兆4000億円。ともに13年度も同額の発行ペースを継続 し、5年債が年間32兆4000億円、10年債が年間28兆8000億円となる。

年度内の市中発行の平均償還年限は7年11カ月に長期化する。12年 度当初計画では7年9カ月、12年度補正後は7年10カ月だった。

物価連動債を発行再開

同省は、発行を取り止めていた物価連動債については、償還時の元 本を保証する仕組みを新たに導入し、年間6000億円の発行を計上してい る。ただ、国内の金融機関から早期の発行再開に慎重な意見が出ていた ことから、具体的な発行時期などについては市場関係者を交えて検討す る方針を示した。

物価連動債は、物価が上昇すると元本が増えるように設計された国 債。04年3月に発行が開始されたが、デフレ長期化など投資環境悪化を 受けて08年8月を最後に新規発行を取り止めていた。

また市中からの買い入れ消却については、総額2兆7000億円程度を 上限に実施する。

13年度の前倒債の発行限度額は20兆円。国債整理基金残高の圧縮に より、13年度は借り換え債が抑制されるが、14年度の借り換え債の増加 を抑えるため、13年度に前倒しで発行できるようにする。

13年度の国債発行総額は前年度当初計画比で3兆6861億円減少 の170兆5452億円となり、08年度以来の減少となる。国債整理基金特別 会計基金残高の約10兆2000億円のうち、約7兆2000億円を取り崩し、国 債償還に充てることにより、借り換え債の発行を抑制する。

これまで大規模災害やシステム障害など非常事態に備えてきたが、 日本銀行からの一時借り入れによる対応が可能となったことを受けて、 残高を圧縮する。13年度末残高は3兆円程度となる見込み。バークレイ ズ証の徳勝氏は「国債整理基金の圧縮により、見た目の国債発行額は減 らせているようだ」と解説した。

【当初計画の国債発行額比較】(単位:億円)
                2012年度当初   12年度補正後   13年度当初
=========================================================
国債総発行額        1,742,313    1,805,266      1,705,452
  新規財源債          442,440    494,650        428,510
 復興債               26,823       24,033         19,026
  財投債              150,000      150,000        110,000
  借換債            1,123,050    1,110,741      1,121,806
 年金国例債      ----      25,842      261,10


市中発行分          1,545,313    1,614,266      1,568,452
  カレンダーベース  1,497,000    1,494,000      1,566,000
  第Ⅱ非価格競争入札   41,850       62,326         44,775
  年度間調整分          6,463     57,940       ▲42,323
個人向け販売(窓販も) 30,000       24,000         20,000
公的部門(日銀乗換)  167,000      167,000        117,000
===========================================================
年限別国債(市中消化)発行額・回数は次の通り
40年債              1.6兆円          0.4兆円、年4回
30年債              6.8兆円          0.5兆円、年4回
                    0.6兆円、年8回  
20年債              14.4兆円         1.2兆円、年12回
10年債              28.8兆円         2.4兆円、年12回
5年債              32.4兆円         2.7兆円、年12回
2年債              34.8兆円         2.9兆円、年12回
割引短期国債1年    30.0兆円         2.5兆円、年12回
割引短期国債6カ月   -----           -----
15年変動利付債       -----           -----
10年物価連動債       0.6兆円          0.6兆円
流動性供給           7.2兆円         0.6兆円、年12回
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計                   156.6兆円

--取材協力:下土井京子、Monami Yui、乙馬真由美. Editors: 山中英 典, 崎浜秀磨

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