債券は下落、円安基調や海外金利高を警戒-来年度の国債増発を見極め

債券相場は下落。外国為替市場での 円安進行や欧米の長期金利上昇を手掛かりにした売りが優勢だった。来 年度の国債発行計画での年限別の増発額を見極めようとして積極的な買 いは手控えられた。

東京先物市場で中心限月の3月物は、前日比21銭安の144円34銭で 取引を開始し、いったんは11銭安の144円44銭まで下げ幅を縮めた。し かし、午前の終了前から水準を切り下げ、午後に入ると144円25銭まで 下落し、結局は25銭安の144円30銭で引けた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の327回債利回 りは、同1.5ベーシスポイント(bp)高い0.74%で開始。その後は0.735% で推移したが、午後の取引開始後には0.745%まで上昇。午後2時前か ら再び0.74%で推移している。5年物の107回債利回りは1bp高 い0.155%。20年物の141回債利回りは1.5bp高い1.785%と15日以来の高 水準で始まったが、その後は1.775-1.78%で推移した。

JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、「欧州 で3年物長期リファイナンスオペ(LTRO)の返済額が予想以上とな り、海外市場で金利が上昇したことから警戒感が広がり売りが優勢だ」 と話した。円安進行や株高傾向、米国債安も重しとの見方も示した。

この日の東京外為市場で円が対ドルで一時91円26銭と、2010年6月 以来の円安・ドル高水準を付けた。また、25日の米国債相場は大幅続落 し、米10年国債利回りは前日比10bp高い1.95%程度に上昇。ドイツ10年 債利回りは3カ月ぶり高水準となった。

パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は「こ れまで米国金利の低下で安心して買っていた向きから売りが出始めてい るのではないか」と指摘。「米連邦公開市場委員会(FOMC)での出 口政策の議論や雇用統計改善が警戒され、円債は利益確定の動きだろ う。低位安定していた米独金利に変化が生じ、警戒すべき状況になって きており、株価が下がっても地合いの改善は見込みづらい」とも言う。

国債発行計画

29日に2013年度予算案が閣議決定され、それに伴い、同年度の国債 発行計画が発表される。新規国債は42.85兆円と、12年度当初予算から 1兆円程度減る見込みだが、総額は借換債などの増加で膨らむ見通し。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、市場では前年度当初並 みの44兆円との見方が大勢で、それを前提に増発予想を4月から 2、10、30年債を各月当たり1000億円、年1.2兆円増としていたと指 摘。新規国債がちょうど想定より1.2兆円下振れたとし、「予想よりも 1銘柄、増発対象から外すことが可能だ。その場合、2月から増発とな る10年債を外すことになろう」とみている。

岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、国債発行計画につ いて、「増発めどなどが明らかになりつつあり、市場予想の範囲内に収 まりそう。当面は現行水準でこう着しそうだ」との見方を示した。

--取材協力:船曳三郎. Editors: 青木 勝, 山中英典

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE