【今週の債券】長期金利やや上昇か、来年度の国債増発や円安進行警戒

今週の債券市場で長期金利は0.7% 台で上昇余地を探る展開が予想されている。来年度の国債増発に対する 警戒感や外国為替市場での円安進行で金利上昇圧力が掛かりやすいこと が背景にある。

長期金利の指標となる新発10年債利回りについて、ブルームバー グ・ニュースが25日に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジは全 体で0.69%-0.77%となった。前週末終値は0.725%。

29日に2013年度予算案が閣議決定される見通し。それに伴い、財務 省から同年度の国債発行計画が発表される。新規国債は12年度当初予算 から減額されるが、全体の国債発行額は増える見込み。SMBC日興証 券の末沢豪謙チーフ債券ストラテジストは、13年度は新規財源債の発行 減に対し、借換債は8兆円近い増額となり、復興債も増える可能性が高 いと指摘。4月以降、2年、10年、30年、40年債を現状発行ペースより 各1000億円の増額になると予想する。

野村証券の松沢中チーフストラテジストも2年、10年、30年債は月 当たり各1000億円増になると予想し、「今の超長期ゾーンには重しだ」 と指摘した。一方、12年度補正予算の決定を受けて、2月の入札から、 5年債は1回当たり2000億円増の2.7兆円、10年債は1000億円増額の2.4 兆円にそれぞれ増える。

2年債入札

31日に2年利付国債(2月発行)の入札が実施される。前週末の入 札前市場で2年物は0.08%程度で推移した。このため、表面利率(クー ポン)は前回債と同じ0.1%となる見込み。発行額は前回債と同額の2 兆7000億円程度。

2年債入札について、JPモルガン・アセット・マネジメントの塚 谷厳治債券運用部長は「先週の20年債入札は低調だったので、2年債入 札前に利回りが上昇するリスクはある。ただ、短い年限なので波乱はな いと思う」と話した。

外為市場では円安が進展している。前週末の海外市場では円は一 時、対ドルで1ドル=91円19銭と、2010年6月以来の円安・ドル高水準 を付けた。週間では11週連続で下げ、ブルームバーグのデータが残 る1971年以降で最長となった。

前週末に集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通り。先 物は3月物、10年国債利回りは327回債。

◎トヨタアセットマネジメントの浜崎優チーフストラテジスト

先物3月物144円00銭-144円75銭

10年国債利回り=0.70%-0.77%

「景気回復期待など外部環境はリスクオン(選好)の流れに向かっ ており、金利低下はそろそろ限界に近いとみている。景気対策が打た れ、需給面でもやや変化が見られており、長期金利が昨年12月のよう に0.7%を割り込むことは難しいのではないか。引き続き円安基調にあ ることも債券を買い進みにくい要因。一方、投資家は買い遅れが目立 ち、押し目買いニーズは相当強く、相場の底堅さも続くとみている」

◎みずほ信託銀行の吉野剛仁チーフファンドマネジャー

先物3月物144円20銭-144円70銭

10年国債利回り=0.69%-0.76%

「円安基調の中で超長期債は買いづらく、利回り曲線はスティープ (傾斜)化傾向が続きそうだ。日米で投資資金が債券、株式両市場にシ フトしている。日経平均株価が1万1000円を超えるようだと、さすが に0.76%まで上昇する可能性がある。もっとも、利回り曲線で見て手前 が安定することから長期ゾーンにも買いが入りやすい。日銀会合で付利 引き下げなどが見送られたため、短中期ゾーンはいったん売られたが、 市場ではなお4月以降の実施を期待する見方が根強い」

◎SMBC日興証券の末沢豪謙チーフ債券ストラテジスト

先物3月物144円10銭-144円80銭

10年国債利回り=0.70%-0.76%

「経済指標の改善などに伴う、海外でのリスクオンの動きが相場の 上値を抑える。一方、日銀による追加緩和期待や現物債需給の良さが下 値を支えることになりそうだ。13年度の国債増発への警戒感から、引き 続き利回り曲線にはスティープ化圧力が残存しそうだ。長期金利の当面 の想定レンジを0.70-1.00%に設定している。0.7%台は将来的な相場 変動の拡大に留意が必要とみている」

--取材協力:池田祐美、赤間信行. Editors: 山中英典, 崎 浜秀磨

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